2024年1月22日 07:00
数多い日本のオーディオメーカーですが、その中で憎いほどに消費者を誘導する戦略を繰り出すメーカーが在ります。
アンプではヤマハとマランツであり、スピーカーでは90年以降のオンキョーです。
マランツは、80年代後半辺りから各社よりも性能を強化しているものの一段価格を落としたアンプを継続的に多数出しています。
これに合わせて価格の張る上位機種も出します、価格が安くて高性能に踊らされて買い、更に買ってからアップグレードしようと考えるもやはり上位機種もマランツを選んでしまうような価格設定をしています、本当に憎い程の戦略を繰り広げているのです。
ヤマハは逆に70年代から高性能なハイエンドやミドルクラスを先ず先に出し、それと同じエッセンスを詰めたエントリークラスを次に投入するのです。
消費者をハイエンドクラスで一旦引き付けておいてのエントリークラスの投入、これによって入門者を一気に引きつけることに成功します。
オンキョーは、90年代に入ると小型ブックシェルフスピーカーでこれでもかというくらいにエントリークラスからミドルクラスまで細かくシリーズ化し、どのクラスを買っても後悔しない音質を提供しました。
アップグレードの要求とサブシステムの要求を満たし、多くのファンを引きつけることに成功したのです。
私もこれにまんまとハマった一人で、たった1台の小型ブックシェルフでオンキョーファンになったくらいです。
そして、その後はアップグレードの上位機種もサブで使う下位機種もダイヤトーンではなくオンキョーを選んでしまうのです。
「策多ければ勝ち、少なければ負け」、戦国時代に名策士と謳われ毛利元就を自らの死後までも大いに苦しめたことで知られる、出雲の名武将である尼子経久が自身のポリシーとした兵法の極意です。