2023年11月30日 07:00
1990年代前半に起きたバブル経済の崩壊に伴いスピーカー598戦争&アンプ798戦争が終焉を迎えます、そしてオーディオ界に氷河期とも言えるお寒い時代が訪れます。
この氷河期では、多くのオーディオメーカーはモバイルオーディオやパーソナル使用を目的とした安価で手軽な家電オーディオ製品を出すようになり、本格的なアナログに力を入れた魅力的な正統派オーディオ製品が徐々に姿を消していきました。
その後サンスイが経営破綻を起こし、更にダイヤトーンの事業撤退などが続き、正統派オーディオ製品の空白時代に突入します。
スピーカーユニットでもコーラルの破綻やテクニクスの事業撤退が相次ぎ、スピーカーユニットメーカーはフォステクスだけとなりました、これに伴ってDIY(手作り)スピーカーブームも同様に一気に終焉していきました。
強いブランドが姿を消すとそれまでのライバル企業が台頭してくるのではないのです、業界全体が縮小するのです、これはどの業界でも同じでライバル同士が競合するところに魅力的な製品が生まれ市場が活性化するのです。
「競争こそ美学」、これは資本主義経済の根本原則なのです、そしてオーディオ氷河期時代に多くのオーディオマニアは行き場を失いました。
私もオーディオショップに行かなくなり休みの日は家でのんびりジャズやアメリカのSFテレビドラマを楽しむようになりました、オーディオショップは閑古鳥が鳴き多くのオーディオショップが閉店に追い込まれたのもこの頃です。
家電量販店ではオーディオコーナーが姿を消し代わりにイヤホンやモバイルオーディオのコーナーが新設されました、オーディオらしき展示品はミニコンポ程度です、本当にオーディオと共に歩んできた一人として悲しい気持ちになったものです。
そして2007年暮れ、私の事業家人生にも大きな転換期が訪れオーディオとホームシアター道楽を封印したので、おそらくオーディオ界が80年代後半のような状況であれば私の事業家人生の転換期は起こらなかったのかもしれません。
闘志を燃やす対象が無くなると人間は精神的に弱くなるのです、闘争本能が消えた戦士は強い者に飲みこまれるしかないのです、2007年暮れのクリスマスの夜事業家人生で初めて味わう大手企業の傘下に入るという苦すぎる辛酸、その裏にオーディオ氷河期が少なからず関係していたように思えます。
2018年の秋約11年のオーディオとホームシアター道楽封印からの復活、その裏に私も事業家に復帰を決めて本格的に動き出した時期と一致しています、たかが道楽、されど道楽、いろんな意味で人生の状況をそのまま現しているのかもしれません。