2022年5月 5日 07:00
オーディオ道楽復活で、至急調達すべき不足しているホームシアターシステムでのサラウンド用スピーカーは2セットです。
最近のスピーカー事情なのかセットで2~3万円というエントリークラスのスピーカーが各社から何機種も出ています。
イマイマの音の確認を兼ねて、最新機種で揃えようと各社の製品のスペックを調べて特徴的な3機種を選び取り急ぎで購入しました。
ヤマハとデノンはミニコンポやサブシステムのメインスピーカーとして、JBLはホームシアター用のサラウンド用として最適だという謳い文句のスピーカーです。
到着順に順次音出しテストです、3機種とも「うん、音はする」と言うのが第一声です。
何を言いたいかと言うと、価格的にも当然かもしれませんがオーディオマニアが価格で譲歩しても聴き入るような音ではないということです。
この20年ほどは、特に小型ブックシェルフ全盛期と言えるほど小型スピーカーユニットの性能が上がってきています。
ちなみに、遊び心で2個セットで1万円で買えるフォステクスのDIYキットを購入し音を確認したのですが、10cmフルレンジユニットそのものの性能はかなり良くなっています。
「これが10cmのフルレンジ?」と、思わず声に出してしまうほどです。
70~80年代には、そこそこの音を出すには最低でも16cm以上の口径が必要という常識のようなものがありました。
目の前に在るのは確かに握れば潰れそうな小さなスピーカーです、小音量であれば何とかストレスなく聴ける音がします。
そういうこともあってのこと、スピーカーのエントリークラスの音は最初聴いた時には正直ガッカリしました。
どれも、最新秘術で作られたという12cmや13cmのユニットにドーム型ツイーターを付けた立派な2ウェイバスレス型のスピーカーです。
中音域や高音域は大丈夫だろうと思っていたのですが肝心のところが伸びていない、しかも低音域は当然かもしれませんがユニットを大きく前後に振動させて無理している感があります。
嫌と言うほど聴き込んだリファレンス用のCDは、どこでどんな楽器が入ってくるのかも記憶しています。
ハイハットやクラッシャーが入る筈の箇所で聞こえない、ベースやバスドラの音が「ズンズン」ではなく「フンフン」なのです、これはいけません。
ホームシアター用はハイファイオーディオと比べ繊細な音は要求されません、むしろダイナミックな音を要求されます。
例えサラウンド用とはいえ、イマイマのエントリークラスのスピーカーは使えないのかもしれません。
唯一使えそうだったのがJBLの小型ブックシェルフです、ただダイニングでのBGM用オーディオセットのスピーカーとして購入したセットで7万円のオンキョーの小型ブックシェルと比較すると一気に色あせてしまいます。
ユニット構成はほぼ同じなのですが、価格の差は思いっきり音に出るということが改めて解りました。
音色では使えそうでもフォステクスのユニット丸出しのDIYキットのスピーカーを流石にサラウンド用に使うこともできません、音と同じくらいに私はビジュアルにも拘るのです。
その第一の理由として許容ワット数が小さすぎるのです、10W程度までなら良い音なのですが、それを越えるとユニットが「カチカチ」と音がして壊れそうになり、評価できないほどの歪を生じます。
「カチカチ」いうのは、ユニット内の稼動コイルがストッパーにぶつかる音で、これを無視して聴いていると30分もしないうちにユニットのコイルが焼き飛んでしまいます。
イマイマのエントリークラスの小型ブックシェルフの音がこんな状況であれば、ホームシアター用のトールボーイのエントリークラスは倍の4~5万円出しても期待できません。
何故なら、ユニットがほぼ同じものを利用してエンクロージャが大きくなる分高いだけなのですから。
とは言うものの、さすがにサラウンド用に2セットで20万円近くかけるのも気が進みませんし、1セット10万円だとフロント用の大きめのサイズになってしまいます。
結局、封印直前まで使用していた愛着の強いオンキョーのポンコツスピーカーに再登場願うことになったのです。
せっかく退役させてコレクションルームにストックしようと考えていたのですが、天の時が来るまでもう少し辛抱してもらいましょう。
センタースピーカーも同様でした、最新のエントリークラスで済まそうと思っていたのですが、サラウンド用スピーカーの音に押されて本来の役目を果たせません。
これも同様に、封印前まで使っていたオンキョーのどでかいセンタースピーカーを再度使用することとなったのです。
尚、最後に補足をしておくと、3つの小型ブックシェルフスピーカーですが、後日改めてアンプと設置するレイアウトを変えてもう一度試聴してみました。
上部と側部、そして後部に空間を持たせ、アンプを変えて少しオーバー気味にパワーを入れてドライブさせると別物のように変化し、大変聴きやすい良い音で鳴ることが解りました。
ハイハットやクラッシャーの金属が響きわたる音や、ベースにバスドラの低音域まで綺麗に出るのです、これには逆に驚きました。
6畳程度の小規模な空間で使うには音のまとまりが極めて良いので、むしろ大型ブックシェルフよりも扱いやすいと思います。
きっと、そういう使い方を意識してのスピーカーだったのですね。