2024年3月 4日 09:00
FOSTEX(フォステクス)は、フォスター電機株式会社のスピーカーユニット及びスピーカーシステムなどのオーディオブランドである。
1949年に、西村茂廣と篠原弘明により信濃音響研究所が設立されスピーカーの製造を始める。
1953年に株式会社へと改組し、1959年にフォスター電機株式会社へと社名変更する。
1960年より、ソニーのトランジスタラジオ用にスピーカーユニットを供給し始め、経営基盤を強力なものとしていく。
1962年には東証二部に上場し、スピーカーユニットのブランドも定着していく。
その後、全世界に海外子会社を設立し、グローバルブランドへと成長を遂げていく。
70年代には、テクニクスとコーラルと合わせてDIYスピーカーユニットブランドの3大ブランドとして名を馳せ、多くのDIYファンに親しまれた。
また、DIYファン向けのバックロードホーンエンクロージャーのキットなど、ユニットと組み合わせたエンクロージャーキットが大ヒットし、ブランドを揺るぎないものにしていく。
80年代後半にテクニクス、コーラルが事業廃止や経営破綻で脱落し、日本の唯一のスピーカーユニットブランドとして一時期国内では独占状態となる。
今も尚、日本のブランドとしてほぼ独占状態が続き、90年代に輸入業者によってライバルは台湾や香港などの海外ブランドとなっている。
スピーカーユニットに加えてスピーカーシステムでも名機名作は多く、DIYファン向けのD級アンプやチャンネルデバイダーなどのオーディオアクセサリー類も手掛けている。
現在、世界的にDIYオーディオマニアの間ではフォステクスは日本唯一の高級スピーカーユニットブランドとして定着している。
近年、初心者でも手軽にDIYオーディオが楽しめる「かんすぴセット」が安定した売り上げを上げており、新たな市場開拓戦略が功を表する。
一環として高級スピーカーユニットを供給するだけではなく、常にファンに喜ばれる新たな戦略を繰り出していくところが、日本唯一のユニットブランドとして残った理由であろう。