2024年2月26日 09:00
進化論といえばダーウィンの「種の起源」があまりにも有名です、ダーウィンの進化論によれば「種は環境に適合し突然変異によって進化する」ということになります、逆説的にみると競争社会を形成し「変化に適合できない種は淘汰の道を選び絶滅する」という怖い結果になります。
これをビジネス社会に置き換えて考えてみると殺伐とした競争原理の下に行われる企業間のサバイバルゲームそのものになってしまいます、そして勝ち残れない企業や業種は淘汰されるということになります。
ダーウィンの進化論に対して真っ向から異を唱えたのが京都大学の今西錦司名誉教授です、彼の説は「生物は自分の生態に適合した環境を選んで生き残る」という「棲み分け理論」を発表しました、この理論をビジネス社会に置き換えると「それぞれの企業(個人)はそれぞれの特徴を生かせる分野で棲み分けることにより共存していく」ということになります。
つまり「棲み分け理論」には競合や淘汰という殺伐とした現実はなく、そこにあるのはそれぞれの個性を生かした共存共栄の理想的な社会です。
企業が進化し成長を考えるとき「企業間の競合によって淘汰させるのではなく、それぞれの特徴に合わせた分野(事業)において共存共栄を図りながら業界そのものを成長させる」という考え方こそが我々日本人のワビサビの文化に受け入れられるのではないでしょうか?
欧米型企業においてはダーウィンの進化論を自社に応用し敵対企業を潰すか買収や合併を繰り返すサバイバルゲームによって成長させてきた企業は少なくありません、日本の場合は「進化論」でなく「棲み分け理論」によって企業成長を考えるようにしていきたいと願うばかりです、確実に競合と淘汰の時代から共存共栄の時代へと変化していることも頭に入れて経営資源を生かしていかなくてはいけません。
この「棲み分け理論による共存共栄社会」こそが私の理想郷であり近未来の経済循環構造の確立に他なりません、それぞれの個性を生かしてレッドオーシャンの海で競合するのではなくブルーオーシャンで優雅に泳げる環境を確実に手に入れられます。