2023年9月 4日 09:00
近年の住宅数は年々増加傾向にあり6000万戸を超えますが、一方で空家率も15%に迫る勢いで総住宅戸数の伸び以上に増加しています。
空家問題は都市部と地方では問題の本質は異なるのですが、数年前から表面化しつつあるのに何故これが大きなビジネスにつながらないのでしょう。
真っ先に思いつくのは安価で購入しリフォームしてから賃貸にする発想ですが、問題はそう単純ではありません。
もしその空家に家族の思い出が詰まっている場合、売却と同時に遺産を廃棄するという行為そのものに躊躇してしまうでしょう。
また更地にして売却する場合は固定資産税が跳ね上がることになり、これも躊躇する理由の一つとなっています。
住宅の撤去やリフォームに国や地方自治体が助成する制度はありますが、あまり名の知れていない一般企業がこれらの話を空家オーナーにしたところで説得力がなく上手くはいきません。
結論を言ってしまえば、空家オーナーが動かない一番の理由は様々な「厄介事」に巻き込まれたくないという事情からなのです。
つまり、これらの「厄介事」をすべて引き受け収益を上げる構造を作り上げた人が「空家ビジネス」の勝者になれるということです。
しかし構想から実際にビジネスとして動き出した場合、想定以上の問題があらぬ方向からやってきます、経験が無いと伏兵が何処に潜んでいるかが解らないのです。
ビジネスアイデアを思いつくのは簡単です、しかしビジネスの流れをリアルに想像しリスクとトラブルを考え実施するとなると普通の人にはかなり難しいと思います。
ビジネスを興すこと自体がリスクとトラブルは必ずついて回ります、 それらをいかに想定し事前に予防線を張れるかどうかが成功する経営者とそうでない経営者の分かれ道となります。
発想と行動は大胆に、計画は始終極めて慎重に細部に渡り熟考することが肝要です。