2008年の会社法改正により資本金1円で会社が設立できるようになりました、この法改正直後に主婦や独立起業を心の何処かに置いていた人たちの間で起業ブームが一気に起きました、しかしこれが10年後の2017年ごろから一気に沈静化してきています。
そして今度は徐々に定年退職後の高齢者起業が静かなブームとなる気配が漂っています、既に政府は若者&女性起業支援から高齢者起業支援に矛先を大きく変えつつあります、これらの動きは各所から読むことができます、社会現象や時代背景を考えてみても然りでしょう。
定年退職後にそれまで培ってきた経験とノウハウを基に第二人生(セカンドライフ)のスタートとしての起業、当然年金支給額の低減や税収増を考えるに国にも大きなメリットが有るわけです。
高齢者は会社員時代に培った社会通念がしっかりしています、したがって節税よりも利益を上げ真面目に納税を考える本物の経営者マインドが身についています。
特に大手企業に務めめてきた高齢者はそれなりの自身でこれまで経済を動かしてきたという自負があります、したがって経験やノウハウの無い人を簡単に信用することもありません。
話変わって、この10年の起業ブームの中で感じることの一つに情報取得傾向が一変しているということがあげられます、テレビ離れや新聞離れは当たり前でネットニュースさえも見ていません、だから世界一大ニュースでさえも知らない人が多数いるのです。
経営者なら誰しも知っていなければならない情報を得ていない人が多くなったのには驚くばかりです、昔なら当たり前に知っているはずの税金や各種届出など経営者として知っておくべき正しい情報をほとんど得ていないのです。
好きなものを好きな時に食べることができる芳醇な時代にあって、必要な栄養素が極端に不足している栄養失調症の人が増えているとの指摘がWHOや医療機関から発令されて久しいです、情報も食べ物と同じで情報過多時代に情報失調症は付き物のようです。
食事も情報も正しく摂取しないと人間として健全に生きられません、特に経営者は経営だけではなく人間力向上の為にも必要な情報は正確に得るようにする必要があります、最近では特定の情報を流すキュレーションサイトが再度活性化してきているようです。
そこでちょっと思考を凝らしてみました、今や政府の後押しで先述した高齢者の起業ブームが今後急速に激化してきます、皆さん正しい起業や経営情報を何処から得るのでしょうか?
少なくても高齢者起業予備軍の人たちはブログこそやってもSNSなどは一切やりません、知り合うだけの異業種交流会にも行きません、ではどのようにして情報を得るのでしょう?
ここがしっかりと見えていれば高齢化社会に大きなビジネスチャンスを掴むかもしれません、高齢者の事は同じ世代の高齢者に聞くのが一番なのです。
現在の日本のマイナス社会現象の一つに空き家問題があります、この多くが借地権や相続が障壁となりどんなに壊れかけて危険な状態でも家主が勝手に壊したり売ることもできずにそのまま放置されています。
これと並んで今盛んに問題視されているのが空き農地問題です、農地を相続したが農業を行わずにそのまま放置しています。
ここで問題になるのが相続を受けた人の義務や責任です、当然固定資産税を払い続けなくてはいけませんし放置していて害虫などが発生した場合には被害者に保障しなくてはいけません、かといって農地法により勝手に売ることもできないし他の目的に変更して利用することもできません。
また例え可能だったとしても行うにはそれなりの費用がかかることになります、更には住居と隣接している場合などは転用にはそれなりの計画を立てて時間をかけて行わなくてはいけません。
農業法人などに借りてもらう手もありますが、空き農地が現在大量にあり農業法人のニーズや条件と合わない場合がほとんどであり困難を極めます。
農地は数年間雑草を放置していると土地が痩せてしまい、また土が硬く締まって再度農地利用する場合にはかなりの手入れをしながら数年間を要してしまいます。
新築する為に盛り土した場合に1年間夏草の種を撒いて土を硬く締めるくらいですから、数年間も放置していた場合にどのような状態になるかは想像するに易しいです。
こうした空き農地ですがアイデア次第では現行の農地法の範囲の中で各種の有効利用方法があるのです、それをシステム化し推進していく、これも一つの社会貢献ではないだろうかと考えているのです。
日本の農業が今極めて危機的状況にあることをご存じでしょうか、まずはデータで示しますと農業労働者は50年前の20%に減少しており現在約130万人しかいません。
また高齢化が急速に進んでおり、同じく50年前の農業労働者全体に占める60歳以上の割合は20%であったのに対して現在はなんと80%以上となっています。
農業労働者の減少に加えて高齢化が進み日本の農業は確実に縮小しています、そこで政府は農業法人の規制を緩めて農業を法人で行えるようにしていますが、それも効果は限定的で思った以上に参入障壁が大きいことが解ってきました。
その理由の一つが労働収益性が極めて低いというのがあります、また繁忙期には朝早くから作業をする必要があり若い人が農業をやりたがりません、現在では多くの農業労働者を外国人に頼っていますがそれも新型コロナパンデミックなどの逆風も吹いて思ったように確保することが難しい状況になっています。
そこで農業改革のヒントをオランダに見出そうと数年前からシンクタンクや民間企業を中心に研究が始まっています、オランダは農業をデジタル化することによってアメリカに次ぐ世界第二位の生産量を誇るまでに成長しました。
その作付け面積はなんと日本の半分しかありません、つまり狭い農地で効率良く農産物を生みだしていることになります、これらを研究し今後必須とされているのが農業DXという新たな分野です。
DXとはデジタルトランスフォーメーションのことで、人間が行うことをITシステムやロボットを駆使して自動化しようとする試みであり現在あらゆる業界で進められようとしている分野です。
例えば、その地域の天候や気温、また土壌を分析して効率良い作物のローテーションをAIで計画書を作成します、またAI搭載の機械を使い無人で種まきから収穫までを行うのです。
更には薬品の散布や害虫の発見もドローンを使って自動化します、こうすることで農業労働者の必要性が無く広い農地を使った無人の農作物生産工場と化するわけです。
農業とITの融合である農業DXはIT技術が無くても大丈夫です、ビジネススキームが完璧であればそれを作るシステムは全て委託で行えるのですから。
外国人向けのインバウンドビジネスが益々広がりを見せていますが、日本に来てからのインバウンドビジネスに対して今後は確実に日本に来る前に既にサービスを受けられるビフォワーインバウンドビジネスが必須になるでしょう。
インバウンドビジネスの多くは、例えば日本であれば日本に来る外国人を対象にした観光や宿泊・飲食・買い物などを主なサービスとしたアフターインバウンドビジネスです。
特にデパートや量販店は積極的で中国人向けの観光客オンリーの店舗も数年前から各社で出店が相次いでいます、表示は全て中国語と英語だけ店員も中国語や英語で応対します、これらのサービスを日本に来る前に行ってしまうというのがビフォワーインバウンドビジネスのメインスキームです。
日本への旅行者向けに日本に来てからどこで何をしようと計画するのではなく、日本に来る前に既に予定を組んでもらおうというもので、空港で具体的なチケットや割引券などを手渡すリアルとWebを連携させたリアルとデジタルの複合サービスです。
また買い物もネットで予約しておき日本に来てから店舗に行き受け取るだけです、待ちのアフターインバウンドに比べて来る前に既に顧客を獲得してしまおうというビフォワーインバウンドビジネス、限られた旅行時間を有効に使う事ができ大きなビジネスになると思います。
このビジネスはすでに中国で開始されており効果を上げています、参加企業もそれぞれの業種を代表するような企業がずらりと並んでいます。
このビジネススキームに照らし合わせるとあらゆるサービスの仕掛け方が変わってきます、事後でなく事前というヒントは他の多くのサービスにも活かされます、出口を用意したうえでの転ばぬ先の杖スキームは全ての業種に適合できると思います。
私はアジア諸国に出張に行けば必ず行くところがあります、それはビジネススパという施設です、大浴場がメインですが薬草スチームバス・ヘアカット・垢すり・マッサージ・ネイルケアなどがオプションでやってもらえる総合ボディケアスパです。
更には薬膳料理や薬酒なども楽しめるレストランバーが施設内にあり、空いた時間が3時間もあれば心身のストレスが吹き飛び活力が蘇ります。
日本でも銭湯がありますが規模が全然違います、また総合的なボディケア付きは大きな温泉地でも行かなければ存在すらありません。
アジア諸国では都会のど真ん中でも幾つも存在しているのです、本当にうらやましい限りです、価格も入浴と薬草スチームバスだけなら2000円程度、1時間のマッサージをつけても5~6000円で薬膳料理とビールをつけて1万円以内で済むのです。
このビジネススパに行き互いにさっぱりした後に薬膳料理とビールで大きな商談を何度したか解りません、ゴルフよりも短時間に心が通いビジネス談話もスムースに進みます。
何と言っても心身共に健康になります、そして互いにリラックスした状態で本音で話し合うことができるのです、都会の中に在る異空間オアシス、日本の都会にも各所に在るべきかと思う次第です。
総合ボディケアスパ・ジム・健康カフェ、そんな都会の24時間丸一日楽しめる、まさに異空間都会のオアシスで現代人には必須な施設だと思うばかりです。
終電に乗り遅れた人などのニーズにも応えられるでしょう、カプセルホテルでは疲れが増すだけです、中規模のホテルと上手く提携できれば意外とすんなりできるかもしれません。