2024年10月21日 08:00
金の話し-1
「金」はゴールドやお金ではなくて、「金属」を表します。
「金属」と聞いて硬い物を想像する人は割と多いのではないかと思いますが、硬いものが「金属」だとすると、鉛やアルミなどの柔らかな「金属」や水銀などの液体金属などを説明することはできません。
「金属」の多くは想像とは逆に、科学的にはむしろ個体の中では極めて柔軟な物質であることが解ります。
このように、「金属」とは科学的にはいったいどのような物質を指すのか正確に知っている人は少ないと思います。
「金属」とは科学的に言うと、最大の特徴は唯一個体の中に在って「自由電子」が存在する物質であるということが言えます。
この「自由電子」とは、原子同士が接続された隙間にできた空間を自由に飛び回る電子のことです。
このことから、「金属」とは個体と言えるかどうかという疑問が生まれます、何故なら「自由電子」は本来液体に多く存在するものであるからです。
固体でありながら柔軟に動く液体の要素を持つ、それが「金」の最大の特徴と言えます。
さて、これらの「自由電子」の存在によって、たとえば岩石やガラスなどの同じ個体と比較して、決定的に差別化される極めて自由性を持つ性質を獲得しているのです。
また、この「自由電子」は「金属」に様々な特徴をもたらしています。
その一つは、磨くと表面に着いた酸素との結合物である酸化物(サビ)が削られて、本来の素の姿が現れて光を反射し輝くということです。
つまり、「金」は磨けば磨くほど輝きを放つ性質を持っているのです、逆に磨くことを怠ると、あっという間に酸化し錆びついてしまいます。
そして、輝くという特性は、「自由電子」が光を跳ね返す性質から生まれているのです。
<続く>