2024年1月31日 09:00
世の中には物事の本質を知らないが為に起こる「偏見」というものがあります、自分が経営をしているせいか特に事業家や経営者に対する偏見には見過ごせないものも多々あります。
中でも気になるのが、社員として雇われている人に多い「社長は怒られたことがないから怒られる人の気持ちが解らない」、「社長は他者の意見を聞かない」というものです、世の経営者を代弁すればこれらは「大いなる偏見」です。
まず「怒られたことがない」ですが実際は毎日何度となく怒られっぱなしです、特に第3者から出資を得ている企業の経営者は出資者などからホームページの内容に始まり当然のように営業成績や社員の行動に関することまで電話やメールで厳しい意見が寄せられます。
また、取引先からも同様にクレームがきます、担当者レベルでは納得がいかない場合には最終的に「社長に代われ」ということになります。
自社の社長が怒られたところを見たことがない社員は勘違いしているかもしれませんが、見えないところで社長は毎日怒られているのです。
また「人の意見を聞かない」というのは経営防衛上のことです、先述の様に出資者・銀行・取引先・社員とそれぞれの立場によるそれぞれの意見を全部聞いて実践していたら企業が持ちません、経営など全くできなくなります。
基本方針に合うのか、今計画中の事業に合うのか、会社の実態と計画に照らし合わせて意見を精査する必要があります。
「せっかく良い意見を言っているのに・・・」と言う人に言わせていただきます、それは「あなたにとって都合の良い意見」もしくは「あたなにとって理想とする意見」なのではないでしょうか?
もしも、それでも黙って採用してくれるとしたら今度はあなたがその意見を実践した結果に対してしっかりと責任を取らなければなりません、常識のある人なら当然判りますよね?
その意見を取り入れる為に相応の経済対価(開発費・人件費・時間)が使われるのです、それがどんな意見であってもです。
偏見があるのは致し方ないです、それは立場が違うが為の本質を知らないということですから、そしてそれは物事にはそれなりの理由があって今が存在しているということを理解できていないという証でもあるのです。
視野が狭いと見えているものだけに捉われます、世の中見えているものだけが全てではありません、見えないところに焦点を合わせられる人が次代を創造していくのです。
経営者は社員の意見や姿勢から逆に社員の人となりを冷静に観察しなければなりません、どんな社員が企業を成長させ安定経営を齎すのか、経営者の最大の業務は人事なのです。