2023年4月 3日 09:00
どんな会社でも社長が専門分野の責任者である場合、その会社の社員の絶対的な能力は社長の能力がリミッターとなります。
例えばIT系の会社の技術者の技術レベルは、社長が技術責任者であれば社長の技術力がリミットとなります。
その意味は、社長以上の技術レベルを社員が有しているとしても社長が正しく評価できないからです。
だから正しく評価されない技術者は辞めるか、もしくは社長のレベルに合わせて我慢しているかどちらかとなります、何れにしても社長の技術力がリミッターになります。
成功している社長は自分の専門分野以外は幹部社員に全てを委任しています、IT系で自分が技術の責任者であれば営業や経理は専門家に全てを任せて自分はフォローと確認するだけに留めています。
IT系の会社の社長でITがまったく解らない人でも大成功している社長も多数います、それはCTO(最高技術責任者)をしっかり立てて技術は全てCTOに任せて自分は営業や管理に徹しているからです。
こうすれば、CTOの技術レベルがその会社の技術者のリミッターとなり優秀な技術者が集まります。
最も賢いと思う社長は、自分は各専門分野の責任者の意見を調整するだけに留め、専門分野の責任者は全て社員から選び全権を任せている場合です、上場する会社の社長とはだいたいがこういう人なのです。
そして、各専門分野のスペシャリストを責任者として揃えることで、会社全体の全ての分野の社員の持てる能力はフルに発揮され大きな成果を生みだしていけるのです。
社長の専門職とは社長業に他なりません、社長業とは会社を永続的に成長させる為の業務全てです、そしてこれだけは他者に任せることができないのです。
これがゼネラリスト社長の本質であり、事業や会社を大きくしたいのであればスペシャリスト社長ではなくゼネラリスト社長を目指すべきなのです。
ときどきスペシャリスト兼ゼネラリスト社長というマルチプレーヤーも見かけますが、社員の士気向上に加えて資金調達に管理と並大抵の努力ではこれを維持することは困難です。
そして、マルチプレーヤー社長は全てをパートナー企業に任せることができ、人件費を大幅に削減することも可能です。
これは、各分野のパートナーを掌握し適切な指示をタイミング良く出せるからに他なりません。
自分の知らない専門分野に意見し、纏まるものもまとめられずに数年で崩壊する会社は後を絶ちません。
継続的な成長を維持させることが社長の最大の務めです、専門分野は専門家に任せることです、この覚悟と潔さが社長の器のというものです。
どんな事にも口を出し全てを自分一人で決めている社長が率いる会社は、社員が何人いても社長が一人で行うのと売上利益は変わることはありません。