2024年10月29日 08:00
ファンシーフーズでは美と健康を追求していくうちに「醗酵」というテーマに行きつきました。
例えば、アトピーなどの皮膚疾患や精神疾患も摂取した食品の消化分解不足によるところが大きいことが病理学的にも解ってきています。
食品の完全なる消化分解、これが実は美と健康には欠かせない事項なのです。
そこで、これを促す食品は何かを追求していくと醗酵食品だったわけです、つまり醗酵食品は「医食同源」どおり食べる薬ということなのです。
ところで「醗酵」とは何でしょう?
これを明確に答えられる人は少ないと思います、例えば醗酵を促す「酵素」は実はアミノ酸であり微生物ではありません、しかし多くの人は麹や乳酸菌などと同様の菌の一種と勘違いしている人もいます。
これは、「酵素」も菌類と同様に食品の栄養素を分解し別の栄養素に換える働きがあり、分解過程では二酸化炭素が発生しますから勘違いしても致し方ないというものでしょう。
醗酵を各種調べるとそれはまるで科学と言っても過言ではありません、栄養素の分解過程も全て化学式で表すことができます。
そして、「醗酵」には菌類の存在があります、人類発祥前から地球に存在していた生命体である菌類はわれわれ人間には欠かすことができない存在だったのです。
さて、「醗酵」の原理を知る上で参考になるのが醤油の製造過程です。
蒸した大豆と焦がした小麦に塩と水を加えます、そこに「麹」を入れると「醗酵」が始まります。
しかしこの「麹」は実は初期段階に活躍する菌であり醤油を作る過程のわずか10%程度の役割しか果たしていません。
大豆と小麦がまず「麹」によってアミノ酸に分解されて行きます、これを第一醗酵といいます。
このアミノ酸が旨み成分の基となります、ある程度まで分解されてくると塩分と酸によって「麹」は全て死滅してしまいます。
そこで今度は「麹」によって閉じ込められていた「乳酸菌」が変わって「醗酵」を引き継ぎます。
「乳酸菌」で分解されてきた食品は、自ら保有していた「酵素」によって更に液体に近いところまで分解します。
「乳酸菌」がある程度まで増えると変わって発生するのが「酵母」です。
これも醗酵菌の一種でアミノ酸から分解された糖を酢酸やアルコールなどに分解します、お酒はこの「酵母」を用いて糖を分解させてアルコールを生成します。
最後に誕生した「酵母」は更に醤油にまろやかさと旨みを香りを加えて、美味しくなるのです。
この状態で殺菌をして醗酵を止め瓶詰めしたのが醤油となります。
醗酵を止めずにそのまま置いておいても菌が食べる栄養素がすべてなくなると自然に醗酵を止め雑菌も繁殖せずに安定します(XO醤)。
「醗酵」の科学、要領さえ解れば「麹」を使わなくても乳酸菌で代用できますし、食品に含まれる「酵素」だけを用いることもできます。
要は実際に自身でいろいろやってみることです、見えない菌も慣れてくると、今何が行われているのかという状態が手に取るように解るようになります。
そして、カビも雑菌も繁殖させずに醗酵だけ正常に行う方法も解ってきます、要は「菌」と素直に向き合うことです。