2024年9月14日 08:00
塩は、人間が生きていくために欠かせないものであることは説明するまでもないでしょう。
さて、現在人が口にしている塩(食塩)には以下の3種類があります。
・天然塩
海塩、岩塩、湖塩など天然に採取できる塩。
・再生塩
岩塩などを洗浄後にミネラル分を添加した天然塩に成分が近い塩。
・精製塩
人工的に海水などから作られた塩。
人間にとって必須成分である塩の歴史は、常に政治や経済の道具にされ明治には配給制となり戦後もしばらく続きました。
戦後の成長期には工業用塩が多量に不足したため、日本はそれまでの海水から作られてきた塩製法を「イオン交換膜製塩法」に切り替えました。
この結果、非常に塩が安価に製造できるようになり、更にこの塩を食塩として販売できるようにしたため現在の食塩のほとんどがこの精製塩になったという歴史があります。
さて精製塩はイオン交換膜製造工程で塩素とナトリウム以外のミネラル成分が落ち、確かに海水から作られた塩なのですが成分的には天然の塩とは別物であり、我々が口にしている多くの塩は人工的に作られた「塩化ナトリウム」ということになります。
再生塩も洗浄とその後のミネラル添加工程で天然塩とは若干異なる成分の塩となります。
地球生命体は海で生まれました、したがって人間にも海水と同じ各種ミネラルが必要としています。
海水の成分は。
水 96.6%
塩化ナトリウム 2.64%
塩化マグネシウム 0.33%
硫酸マグネシウム 0.21%
硫酸カルシウム 0.14%
塩化カリウム 0.07%
その他ミネラル分
つまり、塩から得られるはずの多くの微量ミネラルは不足してきます、これが高血圧やその他の疾病を促していると言われてきました。
更に近年には、塩そのものが悪者かのような減塩ブームで、塩分を減らしても美味しく感じるようにと多くの化学調味料や腐敗防止の目的で防腐剤が大量に加工食品に含まれるようになってしまいました。
前述のように、塩は人間にとって必要不可欠な成分です、ただミネラル分の除かれた「塩化ナトリウム」の過剰摂取が問題なだけなのです。
塩に関しては、健康を意識するなら多少高くても天然のものを使いたいですね。
価格的には、精製塩が1とするなら再生塩が2~3、天然塩が10程度、それでも並みの天然塩で1Kgで2000円程度です、これで健康になるなら安い物だと思います。
ちなみに、人間も含めた脊椎動物の塩分濃度は0.8%~0.9%です。
これは、生命が生まれた時の地球の海水の塩分濃度だと推測されています、つまり現在の海水を4倍に薄めたくらいの塩分濃度の食品は美味しく感じるのです。