結核という病気の事は皆さんご存じだと思いますが普段気にかけることがありません、私の子供の頃は学校や家でちょくちょく話題になったものですが最近では言葉さえ聞くこともなくなり人々から忘れ去られた病気になったのだと思います。
日本における結核は戦前から患者数が徐々に増え1947年のピーク時には年間15万人の死者を出し新型コロナウイルスの15倍の死亡率という極めて恐ろしい病気でした、症状の多くは空気感染することからまず肺がやられて強い咳が2週間以上継続します、放置しておけば全身にウイルスが回り感染した臓器に応じた各種の症状が出ます。
全身倦怠感・頭痛・吐き気・視力障害・けいれんなどを引き起こし放っておけば死に至ります、また正確に知っておいてほしい事実として結核はけっして過去の病気ではなく今も尚現存しており昨年は1万5000人が発病し2000人が亡くなっています。
1950年頃から予防接種が進み更に早期発見のレントゲン技術や治療薬の誕生によりかなり抑えられているだけなのです、結核だけではなくインフルエンザも長いウイルスとの戦いで人間は撲滅できなくても向き合って生きていく方法を学んできています、現在インフルエンザは年平均で約1000万人が感染し1万人が死亡しています、この数字は驚くべき数字だと思うのですがそれほど話題にもなりません。
新型コロナウイルスは昨年1月から本日までの1年8カ月合計で約160万人が感染し1万6000人が亡くなっています、感染率や死亡率だけを見るとインフルエンザの方が脅威だと思いますが誰も気にしないのは何故でしょうか?
今現在では重症化率や死亡率がインフルエンザに比べて新型コロナウイルスの方が高いのですが、結核やインフルエンザのように予防接種と治療薬によって撲滅こそできなくても近い将来において恐怖感を克服するところまでは早期に落ち着くものと思っています。
これがウィズコロナ意識というものです、感染すれば死に至ることもある怖い病気だと理解したうえで感染死を避ける方法を粛々と実行して向き合っていく以外に克服する方法はないのです。
人類はスペイン風邪以後の100年間にあらゆるウイルスと闘って身を守る術を学んで克服してきました、新型コロナウイルスもきっと過去の猛威を奮った結核やインフルエンザのように期間をかけてそれほど日々気にならないウイルスになっていくことだと思います。
新型コロナウイルスの脅威の終焉が見えない中、ついに世界中の医療機関が恐れていたことが起こってしまいました。
AFPの報道によると、2021年2月20日ロシアで初の新型鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型=強毒性新型鳥インフルエンザウイルス)が人から初めて検出されました。
その後も新種の鳥インフルエンザが次々に各地で検出されています、人から検出されたということは新型鳥インフルエンザがついに人型の新型インフルエンザに変異したということです。
WHO(世界保健機構)をはじめ各国の政府機関や医療機関が危機感を持って今後の対策対応に迫られています、日本は特に渡り鳥の季節には注意が必要です。
インフルエンザウイルスは空気感染します、ソーシャルディスタンスは無効化され知らないうちに感染するかもしれないのです。
さて、新型コロナウイルスパンデミックによって免疫や抗体といった言葉が世界中で使われるようになりましたが、正確に理解している人は結構少ないと思います。
同じ免疫システムですが何が異なるのでしょう?
そもそも人間には遺伝によって、生まれつき各種のウイルスや菌から守る為の仕組みが備わっています、これが「先天性免疫力」(基礎免疫力)です。
これに対して、一度感染する事によって次から防御できるようにする仕組みが「後天性免疫力」(獲得免疫力)であり、この因子を「抗体」と呼んでいます。
解りやすく言えば、先天性の免疫力の強さは防御力の強さであり、後天性の抗体は特定の外敵に対する攻撃力となります。
また、先天性の免疫力が強力であっても体調不良や他の疾病の対応で新たな外敵を防ぐことができないときもあります、こんな時には抗体が効果を発揮します。
したがって、完璧に防御するには双方の免疫力が備わっている必要があります。
ただ、先天性免疫力が強力だと発病せずに新たな抗体を次々に獲得していけるので、日頃から基礎免疫力を強力にしておくのが得策と言えます。
昔から効果が期待されている食品や漢方薬(薬膳茶や薬膳酒)を積極的に摂取して、身体を守る免疫力を強化させておきましょう。
ちなみに、昔から免疫力を強力にし体力を上げる食材として知られているのはニンニクとタマネギなどのネギ類です。
また、ショウガは口腔の殺菌と感染初期の解熱消炎に効果を発揮します。
エジプトでは、ピラミッド建築の労働者に報酬としてニンニクとタマネギが支給されたと記録されています、また近年の医学によってもネギ類の滋養強壮とショウガの殺菌及び解熱消炎の薬効性が認められています。
新型コロナウイルス禍も昨年5類に移行されひと安心なのですが、ここで気を緩めると感染拡大が再び起こってもおかしくない状況がしばらく続くと思います、そこで再度新型コロナウイルスに関しての情報を上げておきたいと思います。
まず新型コロナウイルスの感染防止にマスクはどれほどの効果があるのでしょうか、マスクを全員がしての社内会議後に感染が発症した例などをきっかけに、スーパーコンピューターを駆使してマスクの効果がかなり初期の頃に検証されました。
結論を先に言ってしまうと、小声で話しをしている限りにおいては一定の効果があるようですが、大声で話したりくしゃみなどにおいてはどの素材のマスクも飛沫がマスクを通り抜けることが解りました。
大声で話す人や大笑いする人は要注意です、またこのような人との接触はしばらくの間は可能な限り避ける方が良いかもしれません。
集団免疫力も徐々に強化されており一般の風邪と同様に進んできているようです、多くの人がある程度の免疫力を獲得していると考えていますが、感染する人は何をしても感染し感染しない人はきっと何もしなくても感染しないのではないかと思います。
これは防ぎようも無い空気感染するインフルエンザでも同じことです、感染する人は気をつけていても感染しますし感染しない人は何もしてなくても感染しません。
尚自分が抗体を持っているかを知る計測手段はありますが、自己免疫力がどの程度強いかを簡単にしかも正確に計る計測手段が今のところありません、もっとも血液検査を行えば別です。
目に見えないウイルス感染はとにかく重要なのは自身の意識と行動の制限に効果があります、甘く見て無防備なのは考えものですがあまりにも神経質になって精神的疾患を患うのも考えものです。
「本質を知って正しく怖がる」実践が一番だと思います、これはウイルスに限らず未知なる領域にいる人に対しても言えることだと思います、よく知らないうちは細心の注意を払って付き合うべきかと思うのです、これがリスクヘッジと言うものであり危機管理能力というものなのです。
エンジェル・イスコビッチ博士の新著「The Art of Routine:Discover How Routineology Can Transform Your Life(ルーティンの極意:ルーティン化すれば人生が変わる)」によれば、長寿の人を調べた結果ある共通点が見出せたとあります。
その共通点とは生活習慣と食習慣のルーティングです、このルーティングこそ長寿の極意だと記されています。
ルーティングとは繰り返すこと、つまり同じ生活リズムを毎日継続させ同じ物を食べ続けるということです。
ここで同じ物を食べ続けるとは調理では無く食材です、つまりジャガイモとかタマネギとか豚肉などを指しています。
例えばタマネギ農家は毎日料理は変われど自分で作ったタマネギを食べ続けます、この一定の食材を食べ続けることが重要だということです。
これは身体がその食材の栄養バランスに適した代謝や消化を行えるように作られてくるからです、したがってこれを急に変えると数々の異常をきたして身体に負担をかけてしまうのです。
ベジタリアンは野菜からアミノ酸を摂取できるように身体構造が調っています、したがって突然肉を食べ出すと消化不良や特定の栄養過多や栄養失調を起こしてしまいます。
人間の身体は環境に適するように変化します、つまり生活環境が異なれば当然同じ姿をしていても別の個性を持った個体なのです。
例えば、結婚によって大きく生活リズムや食事の内容が変わり身体の不調を訴える人がいます、結婚してもそれぞれの生活リズムと食事の内容を維持できるように互いに工夫する必要があるのです。
そして同居しているからといって食事の内容を自分に合わせるように強要しないことです、自分には適した食材でも相手にとっては負担になる食材かもしれないからです。
健康と長寿を意識しているなら、こういった生活と食のルーティングを意識して欲しいと思います。
一度始めた健康食であるなら最低でも3年間は継続させて様子をみることが肝要です、これによって長い期間をかけて身体がその食品に合う身体を作り変えていきます、そして作り変わった時に真の健康と長寿を獲得できるのです。
5年ほど前から食生活をがらりと変えて「食と健康」生活を日々実践しています、最近では1日30品種以上を食すと本当に身体が変わるのかを身を持って実験中で、多い日には40品種以上の食材を少量ずつ食しています。
こんな健康を意識した食生活の昨今、子供の頃から食べない日は無かった大好きなお菓子や珍味類などのジャンクフードを極力減らすようにしています。
ただ、2週間で身体がこれらのジャンクフードに対する禁断症状が起きてきて無性に食べたくなってしまうのです。
そこで、身体に染み込んだ「食のルーティング法則」に従って無理やりに止めるのではなく週に1日だけ解禁日を設けることにしました。
多くは週末や休日です、この日は昼間から枝豆やチーズをおつまみにビールを飲み、途中ポテトチップスなどのスナック菓子類を満足するまで食べています。
このジャンクフード解禁日にはご飯や麺類などは一切食べません、というか身体が満足してしまうのか食べたい気持ちが起きないのです、それでも数えると20品種以上の食品を食べるようにはしています。
ジャンクフード解禁日でも野菜もしっかり取るようにしています、豆腐と共に多種の野菜や海藻類を入れた味噌汁を作って夕食時に食べるのです、これが結構身体に優しく寝付きも良いように感じます。
週一のジャンクフード解禁日生活をはじめて1年後の昨年受けた定期健診は、人間ドックを年1回受けるようにしてきた35年来で一番というほどの「異常無し」を連発し尿酸値も血中コレステロール値もすべて正常でした。
健康食っていったい何だろうと考える今日この頃、自分の身体が欲するものはきっとその人にとって健康食なのではないかとさえ思えるのです。
100歳を超える長寿者は、肉が大好き・塩辛いものが大好き・甘いものが大好きなど、自分が好きなものを好きな時に好きなだけ食べるといいます。
長年の食のルーティングによってその人の身体にはその栄養素が必須になってくるのでしょう、だから無理に止めると逆に不調を訴えるようになるのです。
好きなものを好きな時に食べるのが一番だと思います、ただし限度を守るという最低限のルールの中でというオチは付きます。
何事も過ぎるは駄目です、足りないと思えるくらいが丁度良いのです。