
KENWOOD(ケンウッド)は、株式会社ケンウッドのオーディオブランドで、旧ブランドはTRIO(トリオ)である。
創業は、有限会社春日無線電機商会で長野県駒ケ根市に本社が在った。
創業当時はブランドを「TRIO(トリオ)」として、高周波コイルの製造に始まり、その後アマチュア無線機器において八重洲無線と共に無線機器業界で君臨した。
1960年に、社名を株式会社トリオと変更しブランドも「トリオ」でオーディオ機器に参戦する。
また、1969年には東証一部に上場している。
70年代~80年代にかけて、サンスイとパイオニアを合わせて「サントリパイ」と言わるオーディオ御三家としてオーディオ界に君臨した。
オーディオ製品では高級ハイエンド製品は少なく、どちらかと言うとパーソナル向けのエントリークラスに注視した製品が多い。
尚、流石に元々は無線機器の会社だけあって、FMチューナーでは抜群のブランド力を発揮し大ヒット作も多い。
オーディオ全盛期の1986年に突然のように社名をケンウッドに変更し、同時にブランドも「KENWOOD(ケンウッド)」となる。
その後、1990年代からのミニコンポ部門では日本ビクターと共に安定した商品を創出し続けた。
2008年には、日本ビクターと共同持株会社、JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社を設立し、同社の完全子会社となる。
また、2011年に日本ビクターに吸収合併され同社は消滅するも、ブランドKENWOODは今も尚健在である。
尚、1960年後半からしばらく「KENCRAFT(ケンクラフト)」というブランドの製品が日本でも見かけることがありましたが、これはTRIOの海外向けのブランドである。

SANSUI(サンスイ)は、1944年創業の日本のオーディオメーカーである山水電気のブランドである。
創業は東京の渋谷で、1970年には東証一部上場を果たしている。
創業者の菊池幸作は山水電気の社名を、「山のごとき不動の理念と水の如き潜在の力」と表現した。
山水電気は創業当時から電源トランスなどのトランスメーカーであったが、60年代後半に海外向けのチューナー・アンプ・スピーカー一体型のレシーバー(高音質ラジオ)がベトナム戦争下の米軍に採用され空前の大ヒットとなり、それをきっかけにオーディオ製品の製造へ事業をシフトする。
70年代~90年代前半にはお家芸である大型の電源+出力トランスを使った重量級のアンプを多数創出し、その多くがいまだに人気を誇る名機と評価されている。
70年代~80年代にかけて、トリオとパイオニアを合わせて「サントリパイ」と言わるオーディオ御三家としてオーディオ界に君臨した。
80年代後半に起きたアンプ798戦争のきっかけが、サンスイのAU-α607だというレジェンドが残っている。
尚、2000年以降、オーディオ氷河期を乗り越えるためにPC周辺機器やホームシアター向けの製品を出すも経営改善には至らず、資本提携先を次々と変え2014年に会社生命に終止符を打つ。
現在サンスイブランドを使ったホームオーディオ製品が出ているが、これは商標を買ったドウシシャが作る製品であり、山水電気とは無関係の製品である。
尚、山水電気の元技術者達はサンスイブランド製品の修理を行う会社を設立している。
修理やオーバーホールに対応しており、常に多数の製品が持ち込まれて大繁盛している。
最後に追記しておくと、私がアンプで最も好きなブランドがサンスイであり、70年代~80年代の重厚なサンスイトーンは今では手に入らないので家宝となりつつある。

SOULNOTE(ソウルノート)は、株式会社CSRの高級オーディオブランドである。
2004年、日本マランツよりMBOにより創業し通信機器部門を承継する。
2006年、オーディオブランドSOULNOTEを立ちあげ以後次々に高性能オーディオ製品を誕生させていく。
60万円のDACをはじめとして、プリメインアンプやフォノイコライザーなど高性能な製品作りでマニアを魅了しブランドの定着に成功する。
現在では、オーディオショップが専用コーナーを設けるほどに高級ブランドとして認知されるまでになっている。
デザインは飾り気がないが高級感に溢れるもので、170万円のレコードプレーヤーは工業デザイン的にも極めて見事な作りをしている。
確かな技術力に支えられた高級ハイエンドオーディオブランドを確立し、久しぶりに世界に誇れる日本の新鋭オーディオブランドとして今後の活動に注目したい。

Olasonic(オラソニック)は、株式会社インターアクションのオーディオブランドである。
1991年、創業と同時にオーディオメーカーの回路設計などを受注する。
2008年、リーマンショックで仕事が激減したことをきっかけに自社製品を誕生させ、2010年にOlasonic(オラソニック)ブランドを誕生させる。
Olasonic(オラソニック)ブランドとして発売した卵型の超小型USBスピーカーがヒット商品となり、ブランドが確立していく。
2011年、小型USBスピーカーをコア商品として、iphone用やTV用のラインナップを充実していきブランドの定着に成功する。
その後、D級アンプのNANOCOMPOシリーズを発売し2年連続でグッドデザイン賞を受賞、一躍世界ブランドに伸し上がっていく。
2018年、現在の株式会社インターアクションが事業譲受し事業承継する。
現在でも卵型小型スピーカーの後継機を作り続けながら、NANOCOMPOシリーズを充実させブランド力を更に上げ続けている。

Nmode(エヌモード)は、日本のリリック株式会社のオーディオブランドである。
現在、日本の最高級デジタルオーディオブランドとして世界に名を馳せている。
2008年、シャープのオーディオ技術者だった布村常夫によってリリック株式会社が設立される。
布村常夫はシャープ時代に、1Bitストリーミング方式のDACなどの研究開発にタッチしていた技術者である。
ちなみに、24BitDACや32BitDACに比べ1BitDACは性能が低く感じられるが、実は逆で処理方式が全く異なっている。
前者はパラレル(並列変換)、後者はシリアル(直列ストリーミング変換)でデジタル情報を処理する方式である。
2009年、同社第一号となる1Bitデジタルアンプが発売され、マニア注目のブランドが形成されて行く。
その後も1Bitデジタルオーディオ製品を次々と発売し、今や最高級デジタルオーディオブランドとして君臨している。
2012年には、新しいオーディオブランド「Lyric(リリック)」を立ち上げ、デジタルから一転してアナログ全開の真空管アンプを発売し話題を集める。
今後、最も注目したいニューブランドの一つである。