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火入れとは、アンプなどを新規に購入して初めて電源を入れること、また単にその日初めて電源を入れる時にも用いることもある。
元々は、火力発電設備や陶器の焼き釜に火を入れることを指した言葉であるが、往年のオーディオマニアはオーディオ機器を購入し最初に電源を入れることに使っている。
また、特に高級アンプの場合は、その行為を厳粛な意味を込めて「火入れ式」と呼ぶこともある。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。
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枯らすとは、電子工学で使われるエージングのこと。
完成された製品は、本来1週間ほどのエージング試験を通してこなれた物にしてから出荷されます。
特にスピーカーユニットは製造後は硬い音がしますが、エージングによってダンパーやエッジが柔らかくなり良い音がするようになります。
最近のスピーカーは、充分なエージングがされずに音出し試験程度で出荷されるので、買ってきてからしばらく鳴らさないと本来のスピーカーの音になりません。
理想的には、1ヶ月間は毎日のように大きめの音で鳴らした方が良く、こうすることで見違えるような音に変わることに驚かされます。
こういった場合に、「もう少し枯らした方が良いね」などと言います。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。
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ハムとは、正確には「ハム音」もしくは「ハムノイズ」と言い、電源周波数がリークしてアンプで増幅されスピーカーから出力されるノイズを指します。
ハムは英語で「Hum」に由来し、「Hum」はミツバチなどの飛ぶ音を表しています。
口を閉じで喉で音を出す「Huming(ハミング)」もここからきています。
日本の家庭用電源は関東が50Hz、関西で60Hzですので、それぞれの地域でハム音の周波数が異なります。
何れにしても、安価な製品や経年劣化でノイズ除去の電解コンデンサなどが傷んでいると低い音で「ブーン」と無音時に出る場合が有り、この状態を「ハム」と称します。
また、電源周波数の倍音が含まれる複数の周波数の合成音によるノイズはバズ(Buzz)と言います。
逆説的な話しもあり、ハムが聞こえるということは低音域までスピーカーが再生可能だという証拠にもなります。
10Cm以下の小口径フルレンジやウーハーでは、50Hzや60Hzをほぼ再生できません。
にも関らずハムが出ている場合は、そのスピーカーが低音域まで伸びているという証拠でもあります。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。
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ファンキーとは、本来では踊るようなテンポの軽快なリズムのジャズの音楽カテゴリを指して言います。
特に、50年代後半のジャズカルテットやクインテッドなどでこういった軽快なリズムのジャズをファンキージャズと呼んでいました。
ソニー・クラーク、レッド・ガーランドなどのピアニストが作曲したジャズの名作の数々はまさに軽快そのものです。
これが、ジャズを離れて明るく軽快で切れの良い音がするスピーカーやアンプを、一部のジャズファン&オーディオマニアはファンキーサウンドと呼ぶことがあります。
まあ、押し並べて良い評価の場合に使われます。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。
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カマボコ型とは、低域も高域も伸びていない中音域がふっくらした音質を指して言います。
これをスペクトラムアナライザで見ると、まさにカマボコを縦から見た形となっています。
この無理に周波数を伸ばしていない音色は、本当にストレスの無い迫力ある骨太な音がします。
ジャズやロックファンにはたまらない音であり、好んで選ぶ傾向があります。
周波数レンジが広いアンプやCDプレーヤーは、クラシックファンには必要でもジャズやロックファンにとっては本当に意味も無く宝の持ち腐れです。
何故なら、そんなワイドレンジな周波数が入っているソースそのものが存在しないのですから。
したがって、エントリークラスのCDプレーヤーにミドルクラスのプリメインアンプで必要充分なのです。
高級なA級アンプを買うお金で高級なスピーカーを買うか、ソースにお金を使った方が実質的で賢いのです。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。