
Lo-D(ローディ)は、日立製作所のオーディオ製品のブランドである。
60年代後半からアンプやスピーカーのブランドとして数々の製品を発表し、根強いファンに支持されて一定のシェアを維持し続けた。
70年代中盤にはハイエンドアンプや、独特な形状のギャザードエッジユニットでのスピーカーなどで話題を振りまいた。
80年代中盤以降は、東芝・三洋などの家電メーカー同様に、オーディオ戦国時代を尻目に90年代初頭にオーディオ界から姿を消すことになる。
それほどまでに、1985年から5年に渡るオーディオ戦国時代は、大手家電メーカーまでも撃墜されるほど極めて非情且つ異常な時代だったとも言えるのである。

Accuphase(アキュフェーズ)は、アキュフェーズ株式会社のオーディオブランドである。
1972年に当時TRIO(トリオ)の創業者である春日二郎らによってケンソニック株式会社が設立され、高級ハイエンドアンプの製造を開始する。
1982年に、現在のアキュフェーズに社名変更する。
80年代には、ラックスマン、パイオニアの高級ハイエンドブランドであるEXCLUSIVE(エクスクルーシブ)と共に日本の高級ハイエンドオーディオブランドとして世界に君臨する。
セパレートアンプを基本として初代プリアンプC-200と、パワーアンプP-300によってセンセーショナルなデビューを飾る。
その後、C-200とP-300を合わせた初代プリメインアンプのE-202は、今も尚名機として高い評価を得ている。
一環とした音質への拘りはオーディオ氷河期をものともせず、毎年のように名作を作り続ける。
尚、製品を購入しユーザー登録すると毎年正月に年賀状が届くというファンを大事にする社風である。

EXCLUSIVE(エクスクルーシブ)は、1973年に立ち上げたパイオニアの高級ハイエンドオーディオ製品のブランドである。
70年後半には、アキュフェーズ、ラックスマンと並び日本オーディオ界の超高級ハイエンドブランドとして世界中に高い評価を得る。
特にウッドホーンを採用したスピーカーは名機を量産し、今も尚高値で取引されている。
セパレートアンプでは、パワーアンプをモノラル2台セットを基本とした製品を出し、アンプ部門でも名作を多数創出する。
尚、現在のパイオニアの高級オーディオ製品はTAD(タッド)ブランドが引き継いでいる。

Sony(ソニー)は、ソニー株式会社のオーディオブランドである。
オーディオ事業で祖業したソニー株式会社は現在あらゆる事業を手掛け、銀行・保険・放送・教育・介護など事業別に子会社を細分化しており、子会社数は1740社余りで日立グループより400社以上も多い日本最大のグループ会社を形成している。
さて、オーディオブランドとしてのソニーの話しですが、祖業は1946年で井深大と盛田昭夫により東京通信工業株式会社が設立された。
設立から4年で日本発や世界初を連発して行きます、まずは1950年の日本発のテープレコーダー、これは放送や音楽関係者を大いに喜ばせた。
次いで、1955年には世界初のトランジスタラジオを発売し、このときに「Sony」のロゴを入れ、これが世界中に「Sony」ブランドを確立するきっかけとなった。
世界ブランドとなった後の1958年、ブランドであった「Sony」からソニー株式会社へと社名変更します。
日本では、アメリカでヒットした後に製品化したために、しばらく「Sony」はアメリカの企業だと勘違いされていた時期があった。
1975年の世界初のベータ方式でのビデオデッキ、1979年の世界初のポータブルオーディオのウォークマンなど録音・録画を通した世界初を連発する。
また、オーディオ製品は70年代を制したサントリパイ(サンスイ・トリオ・パイオニア)に割り込むように、80年代以降にはアンプやスピーカーでブランド力を発揮していく。
80年代後半に起きたアンプ798戦争においては、サンスイのライバルとして最も果敢に競合したのがソニーでした。
その後は、ブルーレイでの世界制覇など皆さんご存じの活躍を見せます。
また、90年以降はホームシアターのブランドとしても、デノン・ヤマハ・オンキョーとシェア争いを繰り広げます。
現在では、超高級ハイエンドスピーカーなどを手掛け、エントリークラスからハイエンドまで手掛ける総合オーディオブランドになっている。

JVC(ジェーブイシー)は、株式会社JVCケンウッドのオーディオブランドの一つである。
元々は株式会社日本ビクターが持つブランドであったが、日本ビクターが松下グループ(現パナソニック)から離脱し、2008年に株式会社ケンウッドと資本提携し、両社の持株会社である株式会社JVCケンウッドを創設し同社のブランドに移行した。
日本ビクターとしては、1929年にアメリカのビクターがRCAに統合されたのをきっかけに、1931年より日本において蓄音機の工場が稼働し、これが事実上の日本ビクターの祖業となる。
日本オーディオ界においては戦前からの最も古いメーカーという事になり、あらゆるオーディオ製品を創出してきている。
1945年の終戦後に株式会社日本ビクターに社名変更し、RCAとの交渉を通じて日本における独自路線を歩むことになる。
1954年には、松下グループの資本傘下に入りレコードプレーヤーやテープレコーダーなどの製品を創出する。
本格的な民間向けのオーディオ製品を創出し出すのは1970年代に入ってからで、コンポーネントステレオセットや本格的スピーカーシステムでオーディオブランドを確立して行く。
名スピーカーSX-7はこの頃に発売され、SXシリーズ(SX-7、SX-5、SX-3)は空前の大ヒット&ロングセラーとなる。
その後、VHS方式のビデオデッキでもブランド力を上げていく。
低迷期は有ったものの、オーディオ氷河期を乗り越え90年代からのミニコンポ時代にはオンキョー、ケンウッド、デノンと共にオーディオ界に君臨する。
近年では、ウッドコーンを使った小型スピーカーが空前のヒットとなり、単体としてもミニコンポとしても再びJVCブランドが注目されている。
そんな中でのケンウッドとの資本参加、2つの強力なブランドを持つ株式会社JVCケンウッドは今後益々目が離せない。