
箱鳴りとは、スピーカーにおいてユニットの振動でエンクトージャー自体が振動し音を発する状態を言います。
PA用のサブウーハーは、敢えて箱鳴りするようにしてステージ全体を振動させ重低域を響かせる設計の製品があります。
しかし、ハイファイオーディオの世界では箱鳴りはNGです。
ユニット自体の音に加えてエンクロージャーの振動による音が合成され、変なところが持ち上がったり歪を生んでうるさく聞こえるような音質になるからです。
また、置き方によっても大きく音質が変化してしまいます。
エントリークラスのスピーカーは確実に箱鳴りします、これは音を鳴らしているときにエンクロージャーの横を手で触ってみれば解ります、手に振動を感じたら箱鳴りしています。
ハイエンドのスピーカーは、大きな音で再生しても振動するようなことは一切ありません。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。

スペアナとは、スペクトラム・アナライザーのこと。
スペクトラム・アナライザーとは、音声周波数を24段階程度から32段階程度まで分割して、それぞれの周波数帯域の音量を目で見える形で測れる音質測定器です。
このスペクトラム・アナライザーと周波数帯域別にレベルコントロール可能なイコライザーを用いて、プロの音響技術士はコンサートホールやライブハウスの音響設備の調整を行います。
これを、各種プロ用機器を揃えて家庭でもやってしまうというオーディオマニアもいるのです。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。

火入れとは、アンプなどを新規に購入して初めて電源を入れること、また単にその日初めて電源を入れる時にも用いることもある。
元々は、火力発電設備や陶器の焼き釜に火を入れることを指した言葉であるが、往年のオーディオマニアはオーディオ機器を購入し最初に電源を入れることに使っている。
また、特に高級アンプの場合は、その行為を厳粛な意味を込めて「火入れ式」と呼ぶこともある。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。

枯らすとは、電子工学で使われるエージングのこと。
完成された製品は、本来1週間ほどのエージング試験を通してこなれた物にしてから出荷されます。
特にスピーカーユニットは製造後は硬い音がしますが、エージングによってダンパーやエッジが柔らかくなり良い音がするようになります。
最近のスピーカーは、充分なエージングがされずに音出し試験程度で出荷されるので、買ってきてからしばらく鳴らさないと本来のスピーカーの音になりません。
理想的には、1ヶ月間は毎日のように大きめの音で鳴らした方が良く、こうすることで見違えるような音に変わることに驚かされます。
こういった場合に、「もう少し枯らした方が良いね」などと言います。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。

ハムとは、正確には「ハム音」もしくは「ハムノイズ」と言い、電源周波数がリークしてアンプで増幅されスピーカーから出力されるノイズを指します。
ハムは英語で「Hum」に由来し、「Hum」はミツバチなどの飛ぶ音を表しています。
口を閉じで喉で音を出す「Huming(ハミング)」もここからきています。
日本の家庭用電源は関東が50Hz、関西で60Hzですので、それぞれの地域でハム音の周波数が異なります。
何れにしても、安価な製品や経年劣化でノイズ除去の電解コンデンサなどが傷んでいると低い音で「ブーン」と無音時に出る場合が有り、この状態を「ハム」と称します。
また、電源周波数の倍音が含まれる複数の周波数の合成音によるノイズはバズ(Buzz)と言います。
逆説的な話しもあり、ハムが聞こえるということは低音域までスピーカーが再生可能だという証拠にもなります。
10Cm以下の小口径フルレンジやウーハーでは、50Hzや60Hzをほぼ再生できません。
にも関らずハムが出ている場合は、そのスピーカーが低音域まで伸びているという証拠でもあります。
※本シリーズは、オーディオ用語辞典には載っていない往年のオーディオマニアの間で使われている用語を紹介しています。
近年でもオーディオ誌の評価レポートなどにおいて、往年のオーディオ評論家が使うこともありますので参考になれば幸いです。