2021年7月15日 00:00
10数年前の話です、その年は歴史的な大型台風が何度も日本を襲いました、そんな台風が近づいているというのに「まだ大丈夫」と言うクライアントの社長さんに誘われて台風上陸直前というのに地元の駅近場で陽気に飲んでいました。
飲み始めは雨がぱらつく程度で風も穏やかだったのですが1時間ほど経過したころからいきなりの暴風雨になり社長さんは慌ててタクシーを拾い早々に帰ってしまいました、私はというと自宅まで歩いてほんの5分ほどです、結構な暴風雨でしたが覚悟を決めて歩いて帰ることにしました。
そして歩き出したとたん、本当に飛ばされるんじゃないかと思うくらいの暴風雨が襲ってきました、まず一瞬で傘がやられました、鞄を持っていたので片手での暴風の中の傘って考えられないほどの力が必要なんです、オーバーではなくて手首が折れるのではないかとさえ思いました。
その後道路のくぼみに足を突っ込んで靴の中はプール状態、おまけに傘はまったく効かないため頭からびしょ濡れです、人間というのは怖いですね、もうこうなると「どうにでもなれ」とばかりに観念してしまうようです。
傘を近くのコンビニのゴミ箱に捨てて「どうせ靴の中まで水浸しだ」とばかりに川のように流れる道路脇も構わず「とにかく歩いて帰るぞ」と心に決めました、ところが傘を捨てようと思った瞬間にふと我に返ったのです。
「ここで投げやりになってはいけない!」と一瞬にして冷静になり、まずは雨宿りも兼ねてコンビニの中に逃げ込みました、そして冷えた缶コーヒーを飲みながら一服、靴の中の水を掃って履き直し壊れかけた傘を何とか使えるようにしました、ちょっと小降りになった瞬間、そこから家まで壊れた傘をさして何事も無かったかのように淡々と帰りました。
どんな時も短気を起こして投げやりになっては駄目ですね、一つのことは全てに通じます、意味が無いと思っても万時冷静に対処することが肝要のようです、こういった何気ない些細なところからも学ぼうと思えば幾らでも学べるのだなと思った出来事でした。