2021年2月18日 10:00
イタリア北東部に位置するエミリア=ロマーニャ州は、イタリア半島の付け根の位置にあり、ポー川南側の流域一帯に広がるパダーナ平原が約半分を占めています。
東側はアドリア海に面した海岸沿いの地帯と西側はアペニン山脈にかかる南側の山岳地帯から成り立っています。
この地域は、「アペニン・トスコ=エミリアーノ」と呼ばれる地域で冬の寒さは厳しく、夏は涼しい山岳地帯特有の気候です。
州の半分を占めるパダーナ平原は、内陸的な気候で、海側に近づくにつれ温暖になっていきます。
パダーナ平原は、ポー川で潤され肥沃な土地であるので、砂糖に使われるビーツ、軟質小麦、加工用のトマトの栽培が盛んで、洋梨、さくらんぼ、桃などのたくさんの種類の果物が栽培されているほか、ワイン用のブドウの生産量も多い地域です。
広大な平原は、牛や豚を飼うのに適しており、畜肉加工業も盛んであるので、牛のミルクからパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ、豚肉からプロシュート、パンチェッタ等の上質な加工品が生産されています。
また、伝統的な技法で長い年月をかけて熟成されるバルサミコ酢は垂涎の食材で、一度は味わいたい食材の一つではないでしょうか。
料理は、州都のあるボローニャ周辺では、濃厚な肉料理が多いほか、海辺の地域では、新鮮な魚のグリルやブロデットなどの魚介のスープが食されています。
この地域は、パスタ料理が充実していて、州全体ではきしめん状のタリアテッレ、地方によっては筒状のガルガネッリ、太くて短いひも状のパッサテッリ、詰め物のパスタなどが多彩です。
また、伝統的にバター、ラードなどの動物性油脂が多く使われた重厚な味わいの料理が多いのが特徴です。