デジタル全盛期の電池式MM型フォノイコライザーを検証~ソニー EQ-2
2021年1月12日 12:00
デジタル時代に誕生したソニーのアナログプレーヤーPS-LX350Hと同時に発売された、MM型フォノイコライザーであるソニーのEQ-2(1999年発売、定価0.5万円)です。
ソニー EQ-2
フォノイコライザーとは、カートリッジの音をエンハンスしてアンプで増幅できるように電圧を上げる装置でハイエンド製品になると100万円以上します。
本機は電池式で、おそらく簡単な電圧増幅と整形回路だけの製品だと思います。
入力が無いと電源が自動で切れ、余計な電池の消耗も無いので安心して使えます。
電池式フォノイコライザーはほとんど見かけないので、検証には面白い製品だと思ってPS-LX350Hと同時に購入しました。
1990年以降のフォノイコライザーが付いていないアンプにアナログプレーヤー(レコードプレーヤー)を接続する目的で使います。
オーバーな話が、このフォノイコライザーが有ればレコードプレーヤーをプリアンプ無しでダイレクトにパワーアンプに接続する事も可能です。
面白いことに一度消えたフォノイコライザー付のアンプ類ですが、2000年ごろからレコードブームを意識してかほとんどのアンプに再びフォノイコライザーが付くようになります。
さて、検証として本機を使った場合とアンプ内蔵の場合とをいろいろなアンプで比較してみましたが、聴いた限りではほとんど大きな差はありません。
まあ、音質や音色を変化させる要因がほとんどなく、アンプで増幅可能域まで電圧増幅させるアダプターとして考えるべき製品だと思います。
通常、フォノイコライザーはプリ・プリアンプと言われるように真空管やトランジスタで昇圧させながら音質に味付けがなされています、こういった味付けがない電池式のフォノイコライザーは意外とニーズがある製品かもしれません。
おそらく、ニーズの有る人には当時の価格以上のお金を払っても手に入れたい製品でしょう、例えばPAシステムにアナログプレーヤーを接続したいとかレコードをAD変換(アナログ→デジタル変換)してデジタルサラウンドプロセッサで聴きたいなど各種のニーズが考えられます。
ちなみに中古価格を調べたら3,500円~7,000円でした、発売当時の価格以上しているのには驚きますが、こういった珍品は将来もっと上がるかもしれません。