2021年1月 7日 12:00
業務用小型スピーカーの名機BOSE101をドライブする為に作られたパワーアンプ1701、この1705(1993年発売、2.8万円)はその歴史ある1700シリーズの中で最も売れたアンプでしょう。
踏みつけられても蹴飛ばされても壊れないと豪語するだけあって、ケースはアルミダイキャスト製でケースそのものが放熱板として機能するように作られている小型パワーアンプの名機中の名機です。
この1700シリーズですが101と合わせて相当な数が売れたと思います、何故なら90年代には喫茶店やスナックなど何処に行っても1700シリーズと101が設置されていましたから。
BOSE 1705
BOSE1705とケンウッドA-M70(左)
下はサンスイのプリアンプの名機CA-2000
2機種がどれほど小さいか解ります。
音質ですが、BOSE101などの小型スピーカーは、イコライザーを101モードにするとレンジが広がり厚みが増します。
とはいえ、イコライザーの効きはそれほど効果を感じられないほどの微妙なものです。
音質的にはナチュラルですが、中音域の張り出しは流石に楽器用のアンプを意識した音作りがされていると評価できます。
同時期に発売されたケンウッドの小型パワーアンプA-M70に比べ価格が半分以下ですからかなりコストパフォーマンスは高いです、というより比べてはいけないほどの音色の差があります。
これほどの音質であれば、ハイファイオーディオ用としてホームユースでも充分に使えます。
これは凄い、改めて価格から考えられない音色に驚きました。
楽器用や店舗のBGM用としては勿論、ホームユースでもAVアンプの音質補正やチャンネルデバイダーを通してのマルチアンプシステムの中高音域を受け持たせるなどでも充分に使えると思います。
小型パワーアンプの購入目的は、マルチアンプで中高域部などを受け持たせたいと考えての事ですが、これだけの大きさと価格でここまでの音色とは逆に使わない手は無いとさえ思わされます。
今回、改めて手持ちの2台の小型パワーアンプの音質を確認しましたが、改めてBOSEの凄さを教えられました。
最後にもう一つ、サンスイの名プリアンプCA-2000を通すよりもダイレクトにCDプレーヤーに繋いだ方が張りがあって元気な音質だったというのが更に凄さを感じました。
本当に、これは低価格パワーアンプにあって隠れた名機です。
難点を言うとしたら、電源オン時の「ボンッ」というポップアップノイズが意外に大きな音がして気になるところくらいです。
この大きさですと、ポップアップノイズ除去の為だけにノイズ吸収回路のリレーを入れる隙間も無かったということでしょう。