沢尻さんで話題になったこともあり、
以前から気になっていた「ヘルタースケルター」を見てみました。
「美しさ」のみを価値観とする女の人、
その生きる姿と、生きにくさが表現された作品でした。
私自身がその価値観を持ち合わせていないので、共感はできず。
ただただ、世の中、見渡せばもっといろいろな物があるのに......と感じてしまいました。
とはいえ、そういう人がいることは知っています。
現に、私の身近にも、そんな価値観の人はたくさんいます。
そうか、そういう風に感じているのか。そりゃあ、落ち込むわけだ、と理解のきっかけに。
内容ではなく、作品として考えると、面白かったです。
虚無な雰囲気が、蜷川実花さんの色使いでうまく表現されていましたし、
俳優の魅力がイキイキと描かれていました。
ただ、沢尻さんの良さは、あまり表現できていなかったのかもしれません。
「気合」「やる気」「必死さ」は強く感じたのですが、
それが前面に出過ぎてしまい、演技を覆い隠してしまっているように思いました。
強く、ガンガンと責める内容ばかりではなく、
時折「静」の演技を含めた方が、より怖さを表現できたのでは?と。
この沢尻さんの演技が、薬のチカラを持って表現したのではないことを、願うばかりです。
アメリカの作品。
「音を立ててはいけない!」という、ホラー映画です。
相手は、エイリアン的なバケモノ。
戦うのは、とある一家。
バケモノは、すぐれた聴覚を持ちながらも、視覚や嗅覚はなく、
音さえ立てなければ、見つからずに過ごすことができる、という設定です。
でもね、人が生活をする上で、「音を立てない」ことがどれほど難しいのか、
嫌と言うほど突きつけられるんですよ。
歩くだけで物音ってしますよね。
食べなければいけないし、コミュニケーションだって取らなければいけない。
しかも、一家の母親は身重で、出産を控えているではありませんか!
出産時の痛みを、ひと言も発することなく耐え抜くなんて、無理!
それに、生まれてきた赤ちゃんは、絶対に泣く!絶対に。
そんな「大きな課題」を抱えたまま、
日々の葛藤があり、苦しみがあり、問題が発生し......と、息をもつかせぬストーリー展開が続きます。
見ているこちらまで、音をたてないように......と気遣いつつの視聴となること必至!
アメリカのホラー映画って、スクリームあってこそだと思うんですよ。
日本のホラー映画が息を飲むタイプの怖さであるのに対し、
アメリカのホラー映画は、発散型とでも言えるくらい、登場人物全員、叫びます。
だからこその、「クワイエット・プレイス」に漂うサイレント感が恐ろしい!
ラストに向け、愛情、成長、強さが感じられる内容となっています。
今までになかったホラー映画。
これは、オススメです!
元々は、マンガ作品。
2015年、映画化されました。
ちなみに、マンガは読んでいません。
映画作品として、とても面白かったですね。
サジ加減が絶妙、という感じ。
ストーリーは、ひと言でいえば、高校生男子のサクセスストーリー。
なんとなく高校生活を過ごし、なんとなく進学を希望~という日々から一変、
辛いけど、夢と自信と挫折に満ちた、充実した日々を手に入れる、という感じ。
で、観ていて、とてもいいなと感じたのが、サクセスの分量。
多すぎないのです。
適切。
このぐらいの努力をして、この成功、うん、納得......という感じ。
いや、もちろん、誰もがその道を歩めるわけではないですよ。
生まれ持った才能や周りのサポートもコミコミで、恵まれていた場合に限り、です。
ま、そりゃあね、映画なので、そこはリアルを追求しても仕方ないですからね。
過去、夢いっぱいの、あり得ないサクセスストーリー、いろいろありました。
中でも記憶に残るのは、マイケル・J・フォックス主演の「摩天楼はバラ色に」。
あり得ない展開ばかりで、すごくワクワクするお話し。
好きでしたね。
ただ、あれは、あの時代だったからこそ。
というわけで、「バクマン。」は、絶妙なサクセスストーリーでマル!
W主演の、佐藤健さん、神木隆之介さんはじめ、
染谷将太さん、桐谷健太さん、宮藤官九郎さんと、演技派揃いだったのも良いポイント。
楽しめた映画でした。
1953年、アメリカの作品。
主人公のドン・ロックウッドが、雨の中で楽しそうに歌い・踊るシーン、有名ですよね。
私自身、このシーンだけ知っていて、どんな内容か知らずに観たんです。
きっと、恋愛映画なんだろうな~と。
確かに恋愛も絡みます。
しかし、土台となっているのは映画の移り変わりについて。
サイレントからトーキーへと変わる映画業界。
それに戸惑う人と喜ぶ人。
変化することが何をもたらすのか。
そんな内容が、オモシロおかしく描かれながら、そこに恋愛のエッセンスが加わる、という内容でした。
観ていて驚いたのは、みなさん、なんて器用なんだろう!ということ。
ダンスがスゴイ!
歌もすごい!
作り込まれたヘアスタイルもステキ!
現代とは、世の流れも考え方も何もかもが違う時代なので、そんな両者を比較することは難しいのですが、それでも敢えて言うなれば、昔の映画作りはより丁寧だな、という印象です。
観ていて、おもしろい。ワクワクする。
そんな作品。
名作と言われるには、理由がある!
ひしひしと感じました。
すっごい懐かしの映画ですよね。
ジャック・ニコルソン主演の、パニックホラーです。
私、ホラー系の映画、あまり好きではありません。
観た後にもやもや感が残ると言いますか、
不条理な内容が多いので、観ていて辛くて。
でもこちらは、不朽の名作と言われていますし、
何といっても、ジャック・ニコルソン主演!
あの演技力は観ておかなくては!と(笑)
この作品の素晴らしさ、
それは、「行間」「余白」「余韻」なんですね。
起こっていること、
物事の前後、
さまざまな部分の説明が、必要最低限。
いや、多少不足しているんですね。
なので、観ながらいろいろ考えなければいけません。
ここが、なんとも面白い!!!
「こうなのか?」
「いや、違う......。」
「あ、そうか!」
の繰り返しで、観ていてどんどん引き込まれます。
以前のブログで書いたことがあるのですが、
最近の作品って、すごく説明が多いんですよ。
何もかも、こと細かに説明し過ぎ。
それ故、余韻に浸れない......と。
この後、この主人公はこうなるんだろうな、こうあって欲しいな。
そんな思いに耽るのがだいご味ではなかろうかと思う私にとって、
「こうです、これしかあり得ないんです。」
という作り手の主張は、正直、ジャマだし面倒。
シャイニング、
誰の視点で撮られているのか分からず、
妻と息子、その他の関係者のその後も語られず、
そもそもの原因ですら、二通りの解釈ができるようになっています。
これは、面白い!
公開から39年。
いまだ人気があるワケが十分に分かった。そんな作品でした。