石田スイさんのマンガ作品が原作の映画です。
こちらは原作本を持っていまして、読了もしています。
また、前作映画の「東京喰種」も見ました。
その上での感想。
かなり物足りないです。
まず、進行があまりに少ない。
少ないのであれば内容が掘り下げられるのかと思いきや、驚くほど浅く、人物描写もできていないから魅力も感じない。
全体的に見どころが少なく、"映画"の良さや魅力を描き切れていない作品でした。
この進行の遅さだと、寅さんくらい回を重ねないと終わらないですよ、これ。
映画館で見る予定がタイミングを逃して見に行けず、今回のAmazon Primeでの鑑賞となりましたが、映画館に行かなくて本当に良かった。
1800円を支払っての鑑賞なら、かなりショックだったかと思います。
ちなみに、前作映画「東京喰種」は良かったですよ。
それだけに残念で仕方がありません。
主演は本木雅弘、その友達として竹原ピストル。
一瞬だけ登場の主演の妻が深津絵里、愛人が黒木華、という感じ。
まず初っ端、主人公のダメっぷりがクローズアップ。
そんな中で妻が事故死するも、主人公は悲しむことができず、ただ、成り行きに身をまかせる日々。愛人含め、周りの人はそれを見て苛立ち、本人に当たり散らすも、主人公はそれがなぜなのか理解できない。
そんな時に出会うのが、主人公の妻の親友の夫である竹原ピストル。この親友も、実は妻と一緒に事故で亡くなっていて、残された夫として、悲しみや怒りの同調を主人公に求めるも、残念ながら主人公にはそんな感情はない。ただ、人目があり、あるフリは一応する、という具合。
ここまで書くと、本当に主人公がダメダメで、最悪、サイテーとなってしまうところだが、そうはならないのが不思議なところ。「あぁ、人ってそういうこともあるよね、きっと。生きているんだもんね、絶対に完璧なんてない。」と思わせてしまうのは、モックンの為せる業なのかも。
結果、主人公は、妻の親友一家との交流で自分自身を見つめ直していくことに。自分のどこがどうダメなのかに気づき、ついに妻の死に向き合い、意味を知り、受け止めていく。
その過程がとてもいい。
きっかけとして描かれるのが妻のメール。壊れていたはずのスマホが、息も絶え絶えに一瞬だけ立ち上がる。主人公は、とっさに未送信メールを探す。すると、自分宛てが一通。それを見つけた時、きっと嬉しさもあったのかもしれない。しかしそこには「もう愛していない、ひとかけらも」の言葉。失望か怒りか、主人公はスマホを投げつける。今度こそ本当に壊れてしまったスマホ。でもスマホ以上に壊れたのは、主人公の心。自分自身はサイテーだったはずなのに、きっと妻には愛されている、そんな自負があったのだろう。未送信メールの発見は、まさにそれが打ち砕かれた瞬間だったのではないか。
でも、最終的に主人公は立ち直る。いろいろな人との関係を修復し、本業でも成果を残す。生活もとても丁寧になり、妻もきちんと弔っている。
そんな様子から感じたのは、「やはり妻は、自分を愛していたのだ」と感じることができたからなのかも。というのも私は、妻のメールの内容、本当に愛想をつかした夫に送る文面では無いように感じる。そういうメールを実際に送れば、夫ともう一度正面から向き合える。つまり、妻は修復を望んでいたのではないか。それに主人公も気づいたからこそ、立ち直ることができた。それはまさしく、妻の望んでいたであろう姿へ。
とても深い作品。
一度、ぜひ見て欲しい。
2007年、アメリカの作品。
もっと軽い内容だと思って見始めたのですが、
実はとても深く、重いテーマを扱っており、考えさせられることとなりました。
舞台となっているのは、60年代ボルチモア。
まだ人種差別が根強く残り、白人至上主義であることを隠す必要のない世の中で、
無邪気に暮らす女の子が主人公です。
ダンスが好きで、ダンス番組で活躍することを夢みているものの、母親は大反対します。
その理由は、女の子がビッグサイズだから。
認められるはずがない、ひどい扱いを受け、傷ついて欲しくないと、母親は思うのです。
でも、父親の応援を受け、女の子はオーディションを受けることになります。
そしてそれと同時に、世の中にはびこるあらゆる差別の存在を知ることとなり、
自分にできることを探していくのです。
重いテーマながら、ミュージカル映画なので歌とダンスが作品を飾り、
すんなりと内容が受け止められるのが素晴らしいところ。
なぜ差別がいけないのか、どれだけ醜いことなのか、自然と理解できることでしょう。
とても、とても、いい作品です。
世界各地であらゆる差別的な活動が起こっている今だからこそ、見て欲しい作品です。
ちなみに、母親役を演じるのは、なんとジョン・トラボルタなんですよ!
原作は、東野圭吾さんの小説です。
ミステリーで、最後までヒヤッとさせられるシーンが満載です。
全体に通じるテーマは、
医療の上限はどこにあるのか、
人はどこまで許されているのか、
人の「死」の見極めは......という、かなり深いもの。
きっとどれだけ考えても答えはなく、
どう選択しても、きっと後悔は残り、
解決のない問いなのかもしれません。
でも、考えなければいけない問題なのでしょう。
見どころは、ラスト。
子どもの遺影に注目して欲しいと思います。
ここが、一番怖いと言えるかもしれません。
ただ......。
この作品、私はちょっと苦手だなと感じました。
というのも、子どもが事故に合うシーンが出てくるのです。
見ると苦しく、怖く、切なくなります。
子どもを持つ親だと誰しも、苦しく感じる内容なのではないでしょうか。
2016年の作品です。
上映当時、見に行きたかったのですが行けず、
やっと見ることができました。
監督は、宮藤官九郎さん。
神木隆之介さんと、長瀬智也さんのW主演。
他にも出演者がものすごいんですよ、コレ。
内容としては、地獄からいかにして復活するか......というもの。
ざっくりですけど。
で、いろいろとある復活方法のうち、ひとつがバンド演奏での優勝で、
そのバンド活動の中に、笑えるネタがちりばめられています。
まず、音楽性がど真ん中でした。
重低音のハードロック、いいですねぇ。
ちょっと、映像的に汚いなぁと感じる部分があり、
それは苦手だったのですが。
全体的には、いい作品だと思います。
テーマも、「生きているうちにやりたいことをしておく」というもので、
分かりやすく、確かにと思うものだったし。
ハードロック好きなら、ぜひぜひオススメです。