十二支は昔から日本の暦で使われていますが、実は動物名をその年に当てはめているのではありません。
本来は、自然のリズムを示したもので、近年になり覚えやすくするために動物の同じ音の漢字を当てはめたのです。
これに関しては、漢書にまとめられていて、要約すると以下の意味になります。
1.「子」
「子」は「孳」(し:「ふえる」の意味)で、新しい生命が種子の中に発祥する状態。
2.「丑」
「丑」は「紐」(ちゅう:「ひも」の意味)で、芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態。
3.「寅」
「寅」は(いん:「動く」の意味)で、春が来て草木が生ずる状態。
4.「卯」
「卯」は「茂」(ぼう:しげるの意味)で、草木が地面を蔽うようになった状態。
5.「辰」
「辰」は「振」(しん:「ふるう」の意味)で、草木の形が整った状態。
6.「巳」
「巳」は「已」(い:「止む」の意味)で、草木の成長が極限に達した状態。
7.「午」
「午」は「忤」(ご:「つきあたる」の意味)で、草木が衰えの兆しを見せ始めた状態。
8.「未」
「未」は「昧」(まい:「暗い」の意)で、植物が鬱蒼と茂って暗く覆う状態、また果実が生じた状態。
9.「申」
「申」は「呻」(しん:「うめく」の意味)で、果実が成熟して固まって行く状態。
10.「酉」
「酉」は(しゅう:「ちぢむ」の意味)で、果実が成熟の極限に達した状態。
11.「戌」
「戌」は「滅」(めつ:「ほろぶ」の意味)で、草木が枯れる状態。
12.「亥」
「亥」は(がい:「とざす」の意味)で、草木の生命が種の中に閉じ込められた状態。
日本の暦には大安とか仏滅という記号があり、結婚式や葬儀などの日取りなどに使われています。
この先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種類の記号は、六曜(ろくよう)という暦注の一つです。
対して、月曜日や火曜日というのは七曜と呼びます。
六曜は、七曜との区別から六輝(ろっき)と呼ばれることもあります。
六曜は1ヶ月を6で割り、1月を5週として考え出せれたものです。
日本には、室町時代に中国から伝わり当時は今の七曜と同じ使われ方をしていました。
また現在使われている呼び名は約100年前に今の漢字になり、元々中国から伝わったときと、「赤口」以外は全て日本風に変わってしまいました。
江戸時代に入り吉凶の占い的意味が加わり、特に戦後はこの占い的神秘性が庶民に流行し、以来七曜と併用されてきました。
六曜は、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の順で繰り返すようになっています。
ただし、六曜には決まり事があり、順通りにならないことがあります。
六曜では、旧暦の毎月1日は次のように固定されているのです。
1月・7月=先勝
2月・8月=友引
3月・9月=先負
4月・10月=仏滅
5月・11月=大安
6月・12月=赤口
また、旧暦の月の数字と日の数字の和が6の倍数であれば、その日は大安となります。
これらから、旧暦の8月15日の十五夜は必ず仏滅となり、旧暦の4月8日の花祭りは必ず大安になるようになっています。
それでは、六曜の各意味について説明していきます。
1.先勝(せんしょう、さきがち)
「先んずれば即ち勝つ」の意味で、午前中は吉、午後は凶と言われます。
2.友引(ともびき、ゆういん)
「凶事に友を引く」の意味で、葬儀などを行うと「友も死の世界に引き込まれる」と言われます。
3.先負(せんぷ、さきまけ)
「先んずれば即ち負け」の意味で、午前中は凶、午後は吉と言われます。
4.仏滅(ぶつめつ)
「仏も滅するような大凶日」の意味で、六曜中最も凶の日とされ、婚礼などの「祝儀を控える日」と言われています。
尚、釈迦の死んだ日が旧暦の2月15日であり、六曜の法則により必ず「仏滅」になります。
5.大安(たいあん)
「大いに安し」の意味で、六曜中最も吉の日とされ、婚礼など祝儀が行われることが多い。
6.赤口(しゃっこう、じゃっこう、せきぐち)
「火の元や刃物に注意」の意味で、午の刻だけが吉で、それ以外の時間は凶と言われています。
※午の刻=午前11時から午後1時。