2022年5月 8日 01:00
起業家・企業家・事業家・実業家、どれも同じように扱われ、その定義も曖昧で人によって様々に用いられている現状があります。
ただ、ある程度の慣例として用いられてきている定義らしきものが存在していますので意識して使い分けていただければ幸いです。
こういった基本的な事項を正確に理解すること、これも一つのビジネス成功者への道だと思っていただければ幸いです。
まず「起業家」ですが、これは独立開業すれば起業家と呼んでも間違いではありません。
法人化するしないは関係なく、個人事業主であっても自身が経営者として収益業務を行うのであれば例外ではありません。
更に、法人化という点で会社を設立した起業家を「企業家」と呼びます、企業家とは「会社を設立して独立開業した人」と解釈して間違いはありません。
次に「事業家」ですが、「実業家」と混同されている例が多いように感じます。
また、「事業家」と「実業家」、先の「起業家」と「企業家」は次元の異なる区分であることも正確に理解してほしい事項です、この2つの区分を混在して用いている事に違和感を感じざるを得ません。
「事業家」とは自身で事業を企画し、実際にその事業を興し収益を得る行為を行う人のことでビジネスそのものを構築していく人ということになります。
ここでも法人化しているしていないは関係ありません、したがって個人事業主であっても他社からの請負業務や代理業務など他者のレールの上での収益ではなく、自身で事業を興して収益を上げていれば事業家ということになります。
レストラン経営やスーパーやコンビニなどの店舗を構えての経営などは、もっとも解りやすい事業家の例だと思います。
更に「実業家」とは「事業家」をより限定したもので、特に商工業など生産・流通・販売といった目に見える物の流れや過程が存在する事業を営む人を指しています。
「ものづくり」事業を営む人は完全に「実業家」になります、「目に見えるものを扱うこと自体が実業であって虚業ではない」、実に解りやすい言葉なのです。
尚、B2B(法人対法人)やB2C(法人対個人)というビジネス形態は、あくまでも組織活動している事業家や実業家が使える用語で、法人化していようがいまいが個人名を表面化しての個人活動している法人には適用されません。
個人活動のコンサルタントやセミナー講師などの業種はB2BやB2Cという区分はできず、ビジネス上の本来の法人ビジネスいうカテゴリには含まれないことを理解してください。
例えば旅行代理業界や不動産業界などでの法人相手のビジネススキームを指してB2B、一般消費者相手のビジネススキームを指してB2Cという区分けをおこなっているのです。
世の中には、法律や税務上のみなし区分と実質区分が異なることは幾つも有るということも覚えておくとよいでしょう。
法の上では株式会社の経営者、しかし実態はフリーターと同じことをしている経営者も事実多数います。
2008年の法改正後の起業ブームは、それまでには存在していなかった歪んだビジネス形態を生んでしまったのです。
ちなみに銀行や企業の取引するうえでの評価ポイントですが、2008年以降に設立された法人に対しては法の上でのみなし形態ではなく、実質的な業態を評価基準としていることも正しく理解しておくことが肝要です。
要は、経済活動においては「名ではなく実」だということです、これが何時の時代でも経済界の掟なのです。