2019年4月24日 00:00
ブレイクスルー思考とは、プラス思考の単純な都合の良い前向きな発想に対して、障害となるべきものへの因果関係を自分にとって価値の有るものだとして、それを乗り越える思考法をいいます。
しかし、大手企業の組織運営上は良いがベンチャー企業や中小企業においては良いことだけを見ていては経営はできません。
私が違和感があると感じるのは、これが最大の理由です。
ただ一言でも、「どういう立場の人向けの思考である」ということを最初に謳っていただけていれば問題ないと思うのです。
また繰り返しになりますが、大企業での課内単位で行うには短期的目標達成には大きな成果が出るかもしれません。
しかし、ベンチャー企業や小さな組織でこれを用いると、もう一つ大きな懸念されることがあります。
それは、「優秀な良い子は育つが、強い子は育たない」ということです。
大企業では優秀なる良い子は成果を発揮できますが、ベンチャー企業や中小企業では良い子ばかりが集まっても、成果を出す前に会社がいざというときに持たない可能性があります。
ベンチャー企業や中小企業に必要な人材は、あくまでもいざという時に踏ん張り、必ず成果につなげる強い社員なのです、決して「優秀なる良い社員」ではありません。
ベンチャー企業や中小企業にとって重要な人材とは、都合よいときに普通に成果を上げる社員ではなく、非常事態に成果を上げつつ、苦しい状況下でも最後まで踏ん張れる逞しい社員が必要なのです。
企業価値とは、平和なときではなく非常事態のときに真価が問われるのです。
危機を何度も潜り抜け、その都度成長を成し得て、10年以上も同じ事業で営んでいる企業は何故潰れないのでしょうか?
そして、どんなに苦しい時でも、銀行や社員は何故見捨てないのでしょうか?
理屈や計算で解けないものを認められない人は、この謎は一生解くことはできません。
企業に真に重要なものとは、頭ではなく心で感じ取らなければ解らないものなのです。
何故だか解りますか?
企業とは人によって作り上げられた組織、そして法の下での「一人の人格者」なのですから。
「法人」という言葉を、心で感じ取っていただきたいと思います。