2018年10月 4日 00:00
「一発屋」というと、皆さん1回きりのヒットで後が続かない歌手やお笑い芸人を思い起こすことでしょう。
これと同じような現象は、ビジネスの世界でも珍しい事ではありません。
例えば、鳴り物入りで入社してきた営業マンですが、最初はこれまでの人脈を駆使して売りまくります。
しかし、数ヶ月もするとピタッと成績が伸びなくなり、その後はゼロを飛ばすだけとなる人がいます。
企画や新事業推進でも、最初は新しいアイデアを次々と出すのですが、そのうちピタッと出なくなってしまう人がいます。
外部から役員候補として入ったものの、元気を振りまいていたのは最初だけで、半年もしないうちに能力の絶対値や人間性を見極められ重要なポジションから外されてしまう人もいます。
さて、何故こういう現象が起こるのでしょうか?
もっとも可能性が高いのは、その人の思考パターンがスポット思考であるということです。
スポット思考とは、継続した流れやゴールを考えることができず、今だけを考えて行動を行ってしまう思考です。
したがって、長期スパンでの戦略を策定しで計画的に動くのではなく、今この瞬間だけの思い付きと自身の思い込みだけによって動くのです。
この人は、今がすべてですから持てるカードを短期間に出し切ってしまいます。
つまり、結果として持てる人脈やネタが切れた時点で終息してしまい、その後は鳴かず飛ばずで誰からも相手にされなくなってしまうのです。
不思議な事に、後がない人ほど何度促しても計画を自ら策定しようとしないのです、例え策定したとしても一環とした戦略が見えない思い付きだけの空想リストに過ぎません。
対して長期戦略を思考し実戦できる人は、5年先まで見通した3段ロケット方式での戦略推進を行います。
この推進方式は周囲に圧倒的な強さを見せつけるだけではなく、長期に渡る結果を確実に残します。
まず1段目として推進開始時には爆発力だけで一気に推進します、この瞬発力とスピードは緻密な計画に基づいた確実な準備がエネルギー源です。
事業サイトや企画書に提案書などの営業ツールなど、これまで極秘裏に進めてきた事項全てを複数同時に一気に公開します。
そして2段目はこれらを基にして初めて活動を開始するのですが、ここで重要なのは確実な見込み客ではなく確度50%以下の難しい案件から入ることです。
確度が低い案件は各種の要望や障害となるものが表面化します、実はこれを把握するのが目的なのです。
ここで出てきた要望や障害は即座に軌道修正して行きます、またこういった誠意や機動力を見せる事で確度50%以下の案件を幾つか拾うことも可能となります。
最後の3段目は、ここで初めて何も説明しなくても信用力だけで採用してもらえる切り札的な相手に話を持って行きます。
この段階になれば、スケジュールと成果を見ながら余裕で事業スピードも売上もコントロール可能になります。
月末にどうしても成果が欲しいときなどにも有益に機能しますので、資金的なことも織り込んで推進する事ができます。
そして、切り札的な要素が出尽くす前に、この切り札人脈から紹介を受け次々に顧客層を波紋状に、まるでビッグバンを起こすかのように広げていくのです。
冒頭の人は、この3段目に本来使うべき切り札を無計画にも最初に一気に出しきってしまっているのです。
だから、最初だけで後が続かないのは当たり前なのです、更にはそこから広げられるはずの周囲が見えていませんから常に単発で終わるのです。
だから、切り札を出し切ったとしても単発の連続ですから、驚くような大きな成果も出ません。
更には周囲には、必死にやっていても「小出し」していると思われてしまい、せっかくの成果も評価されないのです。
何事も、長期スパンの熟成された戦略策定と充分な準備を怠らないこととです、そして一度動き出したら成功シナリオに基づいた計画的な行動を粛々と繰り出す事が肝要なのです。