2018年10月28日 00:00
日曜企画【ビジネスよもやま話-11(思いは現実に)】
「それは、社長さん本人が望まれたことなのではないでしょうか?」
これは、倒産の危機に直面した状況を、長い付き合いのある社長さんから聞いた際に私が思わず発した言葉です。
その会社は、大手取引先に対する売り上げが90%を超えており、その売り上げの殆どが技術者の派遣でした。
以前から、その社長は私と会う度に1社に売り上げが集中していることを大変危惧し、業務内容も派遣から受託開発やオリジナルのパッケージソフトを開発する企業への転身を望んでいました。
それを聞いていただけに、大手取引先が倒産し、倒産の危機を迎えた状況を私が冒頭のように表現したのでした。
つまり、大手取引先の倒産は、その企業の経営改革そのものを自ら手を下すことなく、自然の流れの中で行えるように行動した結果、と言うことではないでしょうか?
仮に社長本人が経営改革を行いたいと常日頃から考えていなければ、おそらくその大手取引先の経営悪化に対して、何も対応しなかったというのは疑問が残ります。
聞けば、支払い遅延要請や現金振込みから120日サイトの手形支払いに変わるなど、明らかなる予兆は有ったのですから。
何故この社長は、もっと早く他の取引先の確保や、ソフトランディングでの撤退を行わなかったのでしょうか?
それは、おそらくスムースなる企業変革を望んでいたことが、無意識のうちにそういう行動を拒んだのではないでしょうか?
事実はどうかは判りません、しかし私は自分の経験に照らし合わせて考えるに、確実に自分が望んでいることは遅かれ早かれ実際に起こることになります。
それは無意識の領域に入った「強い欲求」は、自分の思考や行動までもが無意識のうちにコントロールされてしまうからです。
私がよく口にする「一事が万事」、これは無意識の領域に入った思考は、意識することなく自然に行動を起こしてしまうことを指しています。
したがって、何気ない言動や行動を見れば、確実にその人の本性を見極める事ができるのです。
「夢や大きな目標は諦めなければ、何時かは実現する」、これも、おそらく強い欲求が無意識の記憶へと移り、本人が意識しないうちに行動や言動を行っているのです。
それに呼応して、周囲に様々な変化が起きるのです、達成の障害となる者が自然に消え、必要な人材や企業が寄ってきます。
このような一見不可思議な現象は、明らかに本人が無意識に望んでいたことが表面化した結果です、そしてそのきっかけは自らの無意識なる行動に他ならないのです。