2018年10月21日 00:00
日曜企画【ビジネスよもやま話-10(目が覚めるのが怖い)】
「朝、目が覚めるのが怖いんですよ!」
これは、大手取引先の倒産によって多額の売掛債権を回収できず、半年の間に80人いた社員が僅か10人程度となり、倒産直前まで追い込まれたソフト技術者の派遣業を営んでいた社長の言葉です。
しかし、この社長に倒産直前に奇跡が起こったのです。
それは、派遣を行いながら自社開発していた生産工場で用いる管理ソフトが、大手情報機器メーカーの目に留まり版権と共に一括購入されたのです。
その結果、それまでの多額の借入金がゼロとなったばかりか、長期のメンテナンス契約やカスタマイズ契約で、経営が一気に回復し優良企業に変身したのです。
冒頭の言葉は、明日が見えない状況の時に、心身ともに疲れきって家に帰ると頭が真っ白になり、自分が生きているのか死んでいるのかさえも判らない状況のままで布団に入り朝を迎えるというのです。
そして、朝ふと我に返るのと、その瞬間が本当にゾッとするほど怖いのだと言います。
何故なら、毎日のように債権者が会社に押し寄せ、何時間も居座るのだそうです。
私は幸いにしてそういう経験はありませんが、この日の酒の席は私にとっては大変参考になったことは確かです。
経営者の責任の重さ・厳しさ・覚悟・心構え、その後は何度もこの話を思い出し、自分の会社を想定したいろいろなシミュレーションが頭の中で行え、そして先行して手を打つ事ができ数々の難局を乗り越えられたのです。
彼は、今では私もよく言うようになった言葉を何度も使いました、「諦めさえしなければ、いつかは必ず夢が叶う!」、「逃げたら本当に人生が終わる!」・・・
全ての人に、どんな状況下の人にも通じる言葉ではないでしょうか?