2021年1月 9日 23:30
「AI(Artificial Intelligence):人工知能」の歴史を確認します。
AIは1950年代から50年以上研究されていますが、現在は第三次のブームとして再び脚光を浴びています。
第一次AIブームは1950年代後半~1960年代で、コンピューターによる「推論」や「探索」が可能となり、特定の問題に対しての解答を提示できるようになったことにあります。
当時のAIは、迷路の解き方や定理の証明のような単純な仮説の問題を扱うことはできたのですが、様々な要因が絡み合っているような現実社会の課題を解くことはできなかったため、すぐに冬の時代を迎えることになります。
第二次AIブームは1980年代で、コンピューターが推論するために必要な様々な情報を、コンピューターが認識できる形で記述したもの、いわゆる「知識」を与えることでAIが実用可能な水準に達し、多数の専門分野の知識を取り込んだ上で推論することで、その分野の専門家のように振る舞うプログラムであるエキスパートシステムが生み出されました。
この当時は、コンピューターが必要な情報を自ら収集して蓄積することはできなかったため、必要となる全ての情報について、人がコンピューターにとって理解可能なように内容を記述する必要がありました。
世の中にある膨大な全ての情報を、コンピューターが理解できるように記述して用意することは困難なため、実際に活用可能な知識量は特定の領域の情報などに限定しなければならないという限界から、1995年頃から再び冬の時代に入りました。
第三次AIブームは、2000年代から現在まで続いています。
「ビッグデータ」と呼ばれる大量のデータを用いることでAI自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化されました。
次に、知識を定義する要素をAIが自ら習得する「ディープラーニング(深層学習又は特徴表現学習)」が登場したことが、ブームの背景にあります。
過去2回のブームは、AIが実現できる技術的な限界より社会がAIに対して期待する水準が高すぎたため、AIが期待に応えられなかったことでブームが終わったようにいわれています。
現在の第三次ブームも同様で、AIの技術開発や実用化の潜在的な可能性と、実際に実現することができる部分には大きな差があります。
技術革新は進んでいますが、実際の商品やサービスが社会に浸透するには、実用化のための開発や社会環境の整備が必要となります。