2021年11月 5日 07:00
イーサーコインのブロックチェーンであるイーサリアムの最大の特徴は、「スマートコントラクト」をブロックチェーンに組み込んでいることです。
この事により広く産業用ブロックチェーンとしても応用可能で、産業用(エンタープライズ)ブロックチェーンのスタンダードに成りつつあると言っても過言ではありません。
この、「スマートコントラクト」とはイーサリアムが誕生する20年も前に提唱された技術で、「権限を持つ者を介在せずに、第三者同士で取引を行うための契約事項」を実行するまでの技術を指しています。
直訳すれば、「賢い取引契約書」ということになるでしょう。
書籍などでは、この解りやすい例として「スマートコントラクト」を最初に提唱した研究者のコメントを出しています。
それは、自動販売機です。
自動販売機は第三者を介さずに買いたいものを選択し(ボタンを押す)、お金を入れる(支払い)ことにより、選択した品物が買えるという無人の商品購入システムです。
ここでは、「品物を選ぶ」、「選んだ商品の対価を支払う」、という2つの契約事項が存在します。
これらを自動化して「第三者を介さずに無人で行う」、という考え方が「スマートコントラクト」ということになります。
つまり、これをいろいろなシステムに組み込むことで人を介さず自動化できることになります。
例えば、音楽配信サイトに組み込んで著作権料支払いまで自動決裁する新たなサービスが既に展開されています。
このように、デジタルトランスフォーメーション時代のコア技術として現在非常に注目を集めています。
イーサリアムはこれをブロックチェーンに組み込み、更には「スマートコントラクト」をユーザーが自由に変更できるようにした独自のプログラム言語も開発しました。
このコントラクト部分と、独自に作られる「利用者合意を得る」ためのコンセンサスアルゴリズムとの組み合わせによって、あらゆるニーズに応じたブロックチェーンアプリケーションが創出できる事になります。
デジタルトランスフォーメーション時代に、「スマートコントラクト」は不可欠な技術と言えるでしょう。
そして、これを誰も考えていない取引事項にいち早く応用して行ける人が次世代のIT業界を制するのです。