詐欺まがいのICOがまん延したこともあり2018年ごろからICOという言葉も聞かれなくなりましたが、しっかりとしたブロックチェーンをコア技術とした本格的なプロジェクトも2020年以降に復活してきています。
ICOも各種の手法が誕生していますが、どのような手法においても必ず「ICOには3つのCが不可欠です」という話をします。
新規仮想通貨を発行しての資金調達と、仮想通貨事業への参入にはいくつかの要素が不可欠となります。
一つは、コンセプト(Concept)です、これが一つ目のCです。
コンセプトとは、その新規仮想通貨はどのような目的で、どのような仕組みをもっての発行なのかという最も基本になる発行計画ともいうべき事項です。
次に、コンセンサス(Consensus)で、これが2つ目のCです。
コンセンサスとは「参加者による合意」の意味で、仮想通貨の世界では発行手順や発行ルールを指しています。
技術的な意味においては、どのような仕組みで誰が取引台帳に使われるブロックを生成するかということになります。
ビットコインでは、取引に使うブロックの生成を行うコンピューターを貸してくれたお礼に新規コインを発行しています、これをマイニング(発掘)と呼んでいます。
また他の仮想通貨では取引量や総取得数に応じて新規コインが発行されます、つまりこういった全員が合意できるような新規発行の仕組みが必要です。
このコンセプトとコンセンサスの2つによって、ICOに必要なホワイトペーパーが始めて作成できるのです。
次に、コイン(Coin)で、これが3つ目のCです。
仮想通貨の世界では、その取引台帳である独自のブロックチェーンそのものです、この構築に最も資金と技術力が必要となります。
ここで言うコインとは、多くの場合トークンと称されます。
当然、コンセプトとコンセンサス通りの取引や発行が行われるブロックチェーンであることが必須条件であり、つまり分散電子台帳が仮想通貨そのものであるのです。
さて、その後「実際にICOに不可欠な要素は3つのCだけかな?」と考えていたら、Cがもう一つとTが2つ必要なことが脳裏にでてきたのです。
最後の4つ目のCがキャッシュ(Cash)、つまり資金です。
仮想通貨を発行し仮想通貨ビジネスを始めるには、ICOコンサルティング~ブロックチェーンの構築~ICOまでに最低でも1億円程度かかります。
この資金を得られなければICOは夢のまた夢に終わります。
ただ、有益なコンセプトとコンセンサスのアイデアがあるなら最低限のICO支援の着手金である2~3000万円ほどあれば可能性はあります。
何故なら、ICOを行う前にプレセールという手法で資金を得ることができるからです。
これは株式公開のIPOでいうところの、公開前株式公募と似ています。
更に、一つ目のTは信頼&信用(Trust)です。
合意事項の約束を守ることは当たり前であり、互いの利益を保証しあえるほどの信頼関係が不可欠です。
また、信頼&信用が無ければプレセールにおいて資金を獲得することはできません。
誰が主導者かというところが重要であり、プレゼンテーションにおいてその主導者の人間性や、これまでの周囲に対する信頼&信用が無ければどんなすごいコンセプトとコンセンサスを示しても資金を得ることはできないでしょう。
そして、2つ目のTはテクニック(Technic)です。
ブロックチェーンそのものの構築は勿論のこと、プレセールスにおいてもどのカテゴリにおいても完全なテクニックが重要不可欠となります。
その意味ではICOも経営とよく似ています。
気合や根性などの精神面だけで経営が行えないように、ICOにおいてもすべてのカテゴリで根本的なテクニックが問われます。
ICOする人の生き方も含めたテクニックの有無は、これまでの4C+1T以上の重さが表像化されるでしょう。