2022年7月 8日 07:00
つい先日のみずほ銀行のシステム障害は、これから始まる日本でのシステム障害の一つの予兆であるかもしれません。
皆さんは、「2025年の崖」という言葉をご存じでしょうか?
現在、この「2025年の崖」問題で多くの金融機関や自治体が頭を悩ませています。
「2025年の崖」という言葉は今から2年前の事、経済産業省が発した俗に言う「DXレポート」(DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~)という調査研究レポートから誕生したものです。
ここでDXとはデジタルトランスフォーメーションの略称で、人からAIなどのITに業務の多くを行わせようとする企業内の取り組みを示す言葉です。
このDXレポートを要約すると、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に、想定される国際競争への遅れや日本の経済の停滞などを警鐘したもので、2025年までに想定される各種のリスクが盛り込まれています。
簡単に言うと、現在の金融機関や地方自治体の基幹システム(レガシーシステム)の多くは30年以上も前に構築されたシステムです。
現在では、この頃の推進担当者や技術者の多くが定年退職しており、新たなニーズに応える為に手を加えるにも誰にも詳細は解らないという状況が生まれています。
今後、キャッシュレス化や新型コロナウイルスパンデミックによる社会構造の変化などにより基幹システムの多くは大幅な改良を行わなければなりません。
しかし、前述したように当時の推進担当者も技術者も退職しており、これを実行するには多くの課題が蓄積されています。
そして、これが放置されたまま数年も経てば日本はIT後進国となってしまうのです。
そこで新たにDX化を推進し、システムを新たに入れ替える必要があります。
この構築費用は莫大なものとなり、これを推進できるだけの余裕は今の金融機関にも地方自治体にもありません。
加えて今回の新型コロナウイルスパンデミックで大手企業や地方自治体は、過去の貯金を使い果たし新たな取り組みさえ出来ない状況になっているのです。
さて、世界から大きく後れを取るのではないかと予想される日本は今後どうなっていくのでしょうか?
IT先進国と言われて久しい日本、今ではIT技術者不足に加えて基幹システムの再構築やDX対応とやらなくてはいけない課題が山積みです。