2020年11月23日 07:00
スチーブ・ジョブズは、ipadの完成時に「テクノロジーとリベラル・アーツの結晶がipadを生み出した」という言葉を残しました。
さて、この「リベラル・アーツ」という言葉ですが、ここ最近各種の業界で突然のように使われ出しました。
特にAIでは成し得ない教養として、IT業界でもトレンド用語になりつつあります。
「リベラル・アーツ」とは、「人間を自由に導く技」と解釈されていますが、具体的には何を指して言うのか表現が非常に難しい言葉でもあるのです。
簡単な解釈では、「やりたいことが自由にやれるツールや手法」と考えればよく、具体的には「AIができない人間らしさ」を指しています。
「リベラル・アーツとAIとの共存によって、人間は人間らしく存在できる」、という思想と考えるのがIT業界に限って言えば正しい概念なのかもしれません。
これからのIT産業は、こういった思想や哲学などの概念に基づいたシステムロジックが重要となり、どれほどのテクニックを駆使しているかという要素は正直何の価値も意味も存在しないようになってくると思います。
当然のこと、ブロックチェーンに代表される取引システムやIoTの最先端を行こうとしているベンチャー企業も無視できない思想になってきます。
何故なら「リベラル・アーツ」は教えて身に着く教養ではなく、自ら学んでいく教養だからです。
そして覚えるのではなく、自ら答えを導くことによって磨かれる教養でもあります。
少なくても世に溢れている情報を鵜呑みにしている感情の他者移譲性の人には、この「リベラル・アーツ」という思想は身に着くことはありません。
「覚える」から「自ら考え出す」という脳のロジックそのものが重要になります。
目に見えているものを疑うこと、そして見えない物事の本質を捉えられる洞察力が肝要なのです。
その意味でも、「リバラル・アーツ」を身に着けるのは簡単なことではありません。
しかし、この思想を身に着けられた者こそがAI時代に勝ち残れる人材ということになり、AI全盛期に活躍できる人でもあります。
ブロックチェーン・IoT・ロボット工学、近未来のIT産業は間違いなくAIと密接に結びついていきます。
その時代にどこまで「リベラルアーツ」を取り込んだシステム設計をしているか否か、この差は雲泥の差となり表面化すると思います。