2020年9月21日 07:00
AIとは、人工知能であることはご存じのとおりです。
ただ、一言でAIと言ってもその精度や用途によって無数のアルゴリズムが存在しています。
最も簡単なAIアルゴリズムは、DB(データーベース)を駆使した記憶&比較方式というものです。
決められた手順によって入力された言葉や数字をどんどん記憶していきます、その記憶した言葉や数字が再び使われたときに過去に使われたという意識を持たせます。
回数が多いほど重み付けを更新していき、使われるタイミングなどを予め予測するというものです。
更に高度になると、「A+B=C、A+D=C」という式から、教えられていないB=Dという紐付け思考ができるようになります。
ここまでくると人間の5歳児程度の知能を持ち、自立してそこそこの推測行動もできるようになります。
もっと高度になると過去の経験から自発的に予測行動ができるようになります、ここまできてようやくAIロボット(ヒューマノイド)と呼べるレベルに達してきます。
ここでよく使われる言語解析手法が、階型理論というラッセルが提唱した文章分析方式が有名です。
また学習能力という事項に関しては、能の記憶構造を人工化したディープラーニングという手法が現在主流になっています。
さて本題ですが、私が取り組んでいきたいAIは前述のようなヒューマノイドAIではなく、一連の流れの延長線上に在るデータの動きを未来予測できるAIです、これをブロックチェーンで構築できないかと試みているのです。
最も最適なターゲットは、株や仮想通貨のアービトラージ(裁定取引)だと考えています。
アービトラージとは、取引所間の時間差による価格差を利用した売買方法です。
例えば、ある金融商品の今現在の価格が取引所Aでは1万円、取引所Bでは9000円だったとしましょう。
それを自動で検出して、取引所Aで売って取引所Bで買い戻せばそれだけで1000円の利益が出ます。
ただ、これでは人間が行う取引を自動化しただけです。
私が考えるアービトラージAIとはとんでもない事を実現させようとしています。
詳細は話せませんが、解りやすく言うと世界中に存在するそれぞれの取引所の明日の最高値と最安値が今解ったら凄くないですか?
つまりは未来の取引を今現在行えるということです。
「金融商品の取引は全てが指し値で行われる(成り行き注文は、複数の指し値注文に分解されます)」、「売りと買いは価格と売買数が一致したものから取引が成立する」(これを売買の「板」と呼びます)、「価格変動と取引高の関係には一定の法則がある」、こういう基本事項をすべて理解して逆手に取れば、見えない事も見えてくるのです。
それをトレーサーという専用のプログラムを構築して、世界中の取引所からリアルタイムで取引データーを取得しDBに蓄積していきます。
この蓄積されたデーターを基にプロット分析(特徴的な数値を抽出して、統計的に個性を導き出す)してアルゴリズム化(計算式に置き換える)する、それがAI化の第一歩です。
「他者がやれない事をやる」、IT業界で存在価値を示すには極めて重要な事項だと考えています。
予測AIには高速性を追求する目的で、これまでにない斬新なアルゴリズムが重要になってきます。
その意味において、ブロックチェーン技術は極めて予測型AIとは親和性が高いと言えます。
表面的にはAIによるアービトラージですが、その裏に在るシステムはブロックチェーンを駆使しているのです。
IT事業の戦略とは見えている事実や見せている事実とは裏腹に、見えない部分の別の深い次元に存在しているものだということです。