2022年12月 3日 02:00
ハムは熟成によってたんぱく質や脂肪をアミノ酸に分解し、美味しさが増すだけではなく身体に良い食品に変わります。
タンパク質や脂肪が分解され生まれるアミノ酸、身体の中で消化分解される過程を身体の外でしかも完璧に行っているわけです。
したがって身体に負担をかけずに、必須アミノ酸を手軽に摂る事ができるだけではなく美味しいのです。
ただ、一般的にみなさんが食べているハムは味付けして加熱によって製造されたものです。
確かにこれはこれで美味しいのですが、焼肉などを食べるのと同じでタンパク質や脂肪が分解されておらず、食べ過ぎると消化不良を起こしてしまいます。
対して、じっくり熟成した生ハムや本物の熟成ハムはスープにしても一切脂が浮いてきません、それだけ熟成によってたんぱく質や脂肪が分解されてアミノ酸に変わっている証拠です。
したがって、本物の熟成ハムはアミノ酸によって美味しいスープの出汁になるのです。
ハムは主に豚肉に塩とスパイスを染み込ませて長期熟成させるもので、余分な水分を取りしっかり熟成するとカビも発生しないし腐敗することも無く長期間保存が効くようになります。
パンチェッタは熟成過程を食べるのを基本とした豚の生ハムの一種で、食感が生肉に近いのが特徴です。
パンチェッタはいろいろな作り方があるのですが、ネットに出ているのは手軽にできるパンチェッタ風の味が楽しめるというだけのものなので、熟成した身体に良いものを期待できるものではありません。
ネットに紹介されているのは豚肉の塩漬け程度のもので、熟成の本当の美味しさと分解されたアミノ酸を摂取できません。
同様に世に多く出ている鶏ハムの作り方も、味だけをハム風味にできるというだけの茹で肉であり、ハムとしての肝心な旨みと歯ごたえが無く熟成によりタンパク質と脂肪を分解するという本来の意味を成していません。
やはり乳酸菌や麹などの菌を使って最低でも3日以上、完全を期すなら1週間以上しっかりと乾燥前にも熟成してほしいと思います。
また乾燥も、1ヶ月以上かけてじっくりと熟成させながら行うのが正しい熟成乾燥です。
チーズもハムも健康を考えれば味ではないのです、本来の醗酵食品という意味を考え何が身体に良いのかを理解してほしいと思うばかりです。
そんな健康を考えた本物の熟成ハム、健康に良く美味しいのに日本ではほんの一部の企業しか製造していません、やはり利益優先の安価で簡単に製造できる加熱処理方式がほとんどです。
そして日本人の多くは本物の熟成ハムの味を知りません、口の中に広がる芳醇な香りと何とも言えない旨み、本当にこの世のものとは思えないほどに美味いのです。
ちなみに世界三大ハムは、中国の金華火腿(きんかハム)、イタリアのプロシュット・ディ・パルマ、スペインのハモン・セラーノで、その熟成により生まれるアミノ酸の美味しさは例えようがなく、生食は勿論のこと最高級調味料としてスープや炒め物に使われるほどです。