1986年初頭に日本のオーディオ界に激震が走ります、世にいうアンプ798戦争の勃発です。
きっかけは、サンスイが高性能プリメインアンプのAU-α607を¥79,800で発売したことに起因します。
これに追従するかのように1986年以降は、ソニー・オンキョー・ケンウッド・ヤマハなど多くのオーディオメーカーが798でこれでもかとハイスペックな製品を投入してきます。
特にソニーは物量勝負をしかけます、大型トランスやコンデンサで電源を強化し非金属の1枚形成強化シャーシを使い、資金力にものを言わせての重量級製品を投入しました。
そんな中でマランツのとった戦略が実に素晴らしいのです、物量勝負ではなく他社製品と比べてもまったく劣らぬ高性能なアンプを80%程度の低価格で価格戦略を繰り出したのです。
その先兵がPM-80(1989年発売、6.5万円)で、なんとA級とAB級をスイッチで切り替えられるということもあってかクラシックファンからジャズやロックファンまで広く受け入れられ、あっという間にシェアを奪いました。
このPM-80は多くのファンを取り込んで空前の大ヒット&大ロングセラーを続けました、ただシェアを奪われたのはサンスイではなくソニーやオンキョーなど対サンスイ連合艦隊だったという皮肉な結果を生みます。
更にサンスイは1990年に入って798を脱し機能を強化し価格を1~2万円ほど上げてきました、これに対抗するかのように他社も同様に価格を徐々に上げてきます。
しかし、ここでもマランツは再度PM-80a(1994年発売、7.5万円)を投入し再度価格戦略で勝負をしかけます、これもまたズバリ的中しPM-80と同様の結果を齎します。
デノンのデジタル移行化戦略、マランツの価格戦略、こういったオンリーワン戦略を繰り広げたメーカーがオーディオ氷河期を自助努力で乗り越えられたことはあまり知られていません。
現在この両ブランドは資本提携によって共存共栄する一つの経営母体となりました、唯我独尊という経営戦略指向で意気投合するのは当然なのかも知れません。
道楽性の強いオーディオ製品もメーカーの経営にはシビアな経営戦略がものを言うのは当然のことです、こういったオーディオ史を学ぶと経営戦略という生きた学びも同時に得られるのです、私も事業推進や経営戦略策定に大いに参考にしたものです。
人間の脳は自覚がないままに睡眠中でも常に働いています、脳もこれでは疲れます、そこで睡眠中は大脳も一時的に停止するサイクルを設けています、その意味では短時間の昼寝は脳のリフレッシュに効果的だと言われています。
脳が一番疲れる状態が動く物を見ている状態で、例えばテレビを見ていると他の事にほとんど脳が割くことができないほど占有されます。
つまりテレビを見続けている人はそれだけで脳が疲弊し老化していきます、この脳の老化を助けるのに効果的なのが目を瞑って行うロジカルシンキングです。
ロジカルシンキングは妄想や空想など自然に起こる想像とは異なり、何かの目的を持った意図的な思考です。
脳はメモをとる動作の数百倍のスピードで処理できますので、ロジカルシンキングでは結論が出るまでメモを取らないことが最重要です。
この時に目を閉じて視覚神経からの情報をカットすると脳がフルパワーで働きます、私はこういったロジカルシンキングの際に静かにスロービートのバラード系ジャズを聴くと集中力が増して効果的だということを経験で学びました。
これには理由が在るのです、音楽が無いと外からの雑音やちょっとした物音などで神経がそこに向かってしまい思考が途切れてしまうからです、ところが静かにジャズを聴いていると雑音が気にならずにより集中できるのです。
私にとってロジカルシンキングはビジネス上凄く重要です、クリティカルな経営戦略や特許出願の多くがロジカルシンキングによって生まれてくるからです。
考えようとして考えると脳は疲れるだけです、無意識のロジカルシンキングが高速で解を導く最高の方法なのです。
この時にバランスの良い音質が重要です、CDラジカセのような中音域中心の音はうるさく感じてしまって逆効果です。
良い音で音楽を聴く、この重要性に気付いている人は極めて少ないです。
医師・学者・経営者、世の中の成功を収めている人はみなオーディオシステムに凝っています、脳を使う職業の人は常に脳を愉音によってリフレッシュする必要があると断言できます。
この根拠は私の知人友人で職業に無関係に成功を収めている人は皆熱狂的なオーディオマニアだからです、ただしオーディオマニアだからといって成功するとは限りません。
結核という病気のことは皆さんご存じだと思いますが、ほとんどの人は普段気にかけることがありません。
私の子供の頃は学校や家でちょくちょく話題になったものですが、最近では言葉さえ聞くこともなくなり人々から忘れ去られた病気になったのだと思います。
日本における結核は、戦前から患者数が徐々に増え1947年のピーク時には年間15万人の死者を出し新型コロナウイルスの20倍という死亡率で極めて恐ろしい病気でした。
症状の多くは空気感染することからまず肺がやられて強い咳が2週間以上継続します、放置しておけば全身にウイルスが回り感染した臓器に応じた各種の症状が出ます。
全身倦怠感・頭痛・吐き気・視力障害・けいれんなどを引き起こし、放っておけば死に至ります。
また正確に知っておいてほしい事実として結核はけっして過去の病気ではなく現存しており、昨年は1万5000人が発病し2000人が亡くなっています。
1950年頃から予防接種が進み、更に早期発見のレントゲン技術や治療薬の誕生によりかなり抑えられているだけなのです。
結核だけではなく、インフルエンザも長いウイルスとの戦いで人間は撲滅できなくても向き合って生きていく方法を学んできています。
インフルエンザは新型コロナウイルスパンデミックまでは年平均で約1000万人が感染し1万人が死亡しています、この数字は驚くべき数字だと思うのですがそれほど話題にもなりません、感染率や死亡率だけを見るとインフルエンザの方が脅威だと思いますが誰も気にしないのは何故でしょうか?
今現在では重症化率や死亡率がインフルエンザに比べて新型コロナウイルスの方が高いのですが、結核やインフルエンザのように予防接種と治療薬によって撲滅こそできなくても近い将来において恐怖感を克服するところまでは早期に落ち着くものと思っています。
これがウィズコロナ意識というものです、感染すれば死に至ることもある怖い病気だと理解したうえで感染死を避ける方法を粛々と実行して向き合っていく以外に克服する方法はないのです。
人類はスペイン風邪以後の100年、あらゆるウイルスと闘って身を守る術を学んで克服してきました、新型コロナウイルスもきっと過去の猛威を奮った結核やインフルエンザのように期間をかけてそれほど日々気にならない一つの風邪ウイルスとなっていくことだと思います。
少しオーバーな言い方ですが、最初に買ったオーディオ製品がオーディオマニアになるか、それともオーディオ製品を家電意識で終わらせてしまうかを決めてしまうような気がします。
普通の人は高校生時代に初めて自分のオーディオ製品を持つと思います、多くの場合はコンポではなく近年ではポータブルCD付きラジオとかイヤホンで聴いたりブルートゥースで繋げるポータブルオーディオだと思います。
そして徐々に特定の音楽が好きになり大きな良い音で聴きたくなります、そこで大学時代にアルバイトなどで貯めたお金や社会人になってからの給与で初の自分の本格的なオーディオコンポを買う訳です、全員とい言うことではありませんが男性には多いかと思います。
ここで手頃なCDレシーバーを買うか、倍以上のお金を払ってフルサイズのコンポを買うかでオーディオに対する耳が変わってしまいます。
CDレシーバーを買った人はその後にフルサイズコンポのどんなエントリー製品を聴いても全てが良い音に聞こえてしまいます、つまり良い音の判定基準が正確に身につかなくなってしまいます。
対してフルサイズのある程度の価格(イマイマで言えばセットで10万円以上)のコンポを買った人は耳が肥え、次に買い換えるときにはセットで30万円以上のミドルクラスのコンポでないと物足りなくなっていきます。
そして良い音に対する追求が始まりスピーカーを変えたりアンプを変えたりするようになります、これが多くのオーディオマニアの誕生夜話なのです。
どちらが幸せなのかは解りません、少なくもオーディオから多くを学べた私はオーディオ道楽にハマってしまったことを後悔したことは1度もありません。
世の中にオーディオ関連の情報を発信しているブログは少なくないのですが、多くのオーディオブロガーの間では暗黙のルールというのが存在しています。
その理由は、オーディオマニア間での正確な情報の共有という共存共栄の与え合う精神が存在しているからです。
これは今に始まったことではなく、古くは70年代のオーディオ喫茶でのフリーノートに始まります。
フリーノートにはオーディオマニアがびっしりと自身で体験した情報が載せられており、製品を買う為の事前情報共有としてみなさん真面目に書いていました。
さてオーディオブログの暗黙のルールとは何かということですが、記事に特定の製品名を出す場合には発売年・発売当時の定価表示は当たり前として、特徴や操作性そして最も重要なのがその人独自の判断でよいので評価を上げることです。
音質や操作性の評価はその人の聴くジャンルや好みがありますから自由な評価でよいのです、正反対の評価も含めて要は記事を読んだ人が総合的にどのように判断するかの問題であり、オーディオブログで自由な発言しても炎上することは皆無です。
そういう意味ではオーディオマニアはフリーノートの時代から道楽仲間に寛大で紳士な人が多いのだと思います、最も高評価できるのは知名な製品との比較や自分なりに試験や実験を行った結果です。
何故こういった情報が重要なのか、その理由の多くはオーディオコレクター仲間に対しての情報提供があります。
オーディオコレクターは多くの場合にはオンタイムで買うことができずに後追い(中古)での購入になりますので、購入する際の大きな判断材料になるのです。
例えばオーディオ道楽を始めたとしましょう、この場合過去の時代の音を自身で確認するには確実に中古を買うしかありません、そこで参考になるのが発売年とその当時の定価は最低限の情報として重要なのです。
発売年と定価に対して高値で取引されているなら名機と言われているものか歴史的価値や希少価値が有るものと判断できますし、安値ならコレクションに加える必要も無い製品だとすぐ解るからです。
またどんなに経済力があっても全ての製品を買って音質確認することは不可能です、その意味において互いに情報交換する価値は大きいということです。
更にオーディオ製品の多くはシリーズ化されているので型式の正確な表記が重要です、型式の最後の1文字でまったく違う音質になることは多々あることなので型式の正確な表記は最も重要になります。
そういった意味では私もオーディオブログを持って日々記事をアップしていますが、そのブログ記事は調べられる限りの情報を詰め込んでいます。
思いの外時間がかかってしまうのが名機の系譜などの記事です、酷い時には調査で数日かかるときもあります、でもこれも自身のデータとして重要なので苦にはなりません。
こういった暗黙のルール、私なりにきっちり守った上で今後も可能な限りオーディオブログ記事を書いていきたいと思います。