2022年7月31日 02:00
本来のキノコ栽培は、化学工場のように雑菌が入らないようにした完全なる無菌室で行われます。
ちなみに、キノコ栽培の工場に納豆菌やカビが入り込んだら一夜にして全滅します。
したがって、キノコ栽培農家や酒造所では作業員が納豆や醗酵チーズを食べるのは禁止だそうで、買ってくるのさえもご法度なのです。
ところで、自然のキノコはどんな状態で生えているでしょうか?
そうです、雑菌だらけの山や野に生えているのです、ということは自然栽培でもやりようによっては、キノコは栽培できるということなのです。
ただし、安定的な出荷は望めないし量産はかなり難しいと思います。
では、家庭で手軽に栽培できるキットにしたらどうでしょうか?
キノコ好きな人は買うのではないかと思うのです。
無菌室でなくてもできるような品種と、菌床を研究すればきっとできると思うのです。
思えば、信州育ちの私の子供のころは、どこの家庭でも家の裏にはシイタケ栽培用の椎の木の丸太が立てかけられていました。
ドリルで穴をあけて菌を植え、直径10cm以上の大きなシイタケを毎日のように採っては家庭料理に使い楽しんだものです。
シイタケだけではなく、マイタケにエリンギ、高級キノコのボルチーニなどが家庭で手軽に栽培できるようになれば、常に土や菌に触れ身体も健康になるのではないでしょうか?
自然に生きるとはそういうことなのです。
フレンチの最高級食材である「トリュフ」は人工栽培は不可能とされてきましたが、実はたまたま条件が揃ったようで人工栽培に成功した事例が幾つも報告されています。
たまたまも継続すれば必然となります、高い実験材料ですが、やってみる価値はありそうです。
イタリアンレストランの中に、ケースに入った天然のボルチーニが生えていたらどうでしょう?
マツタケよりも香りがよく美味しいと言われるボルチーニ、私なら迷わず網焼きやソテーにして贅沢に食します。
もしくは、野菜とベーコンで作るイタリアントマト煮にたっぷり入れて食します。
現在、日本のレストランで提供されるボルチーニは加工済みの缶詰です、風味は勿論のこと食感が生とはまるで違います。
ところで長野県は男女ともに世界一の長寿県として知られています、その理由を研究した機関があります。
そこで解ったのが年間を通して気圧が低い事、野菜摂取量が多い事、そして年間を通してキノコを食しているという事です。
菌の塊であるキノコ、食物繊維やミネラルといった解りやすい栄養素だけではなく何か特別なパワーが秘められているのではないでしょうか?