オーディオと景況感~アンプの色は5年後を予見しているという事実
2022年5月25日 02:00
何時の頃だったか、株式投資雑誌に経済アナリストの興味深いレポートがありました。
それは、「アンプの色は近未来の景況感を反映している」というものでした。
そのレポートによると、景気浮上の数年前からシルバーやシャンパンゴールド色のアンプが売れ、景気後退の数年前からブラック色のアンプが売れる」というものです。
確かに、バブル景気が始まる数年前から世の中のアンプが黒一色になりました。
驚くことに、シルバーと淡い白木の側板の気品ある色調で人気を集めたヤマハのアンプでさえ、83年ごろからの数年間はブラック一色になり気品ある面持ちであったフロントパネルは他社同様の厳つい顔つきになったことです。
その後、バブル経済が崩壊してオーディオ氷河期に突入し、この一連のブラック一色も徐々にシルバーやシャンパンゴールドに変わって行きます。
その後、10年という長いトンネルを抜け徐々に景気も戻りだします。
そして、ホームシアターが成長期を迎える2005年ごろになるとAVアンプを中心にまたブラック色のアンプが出始めます。
そして、2008年にリーマンショックで世界的な不景気に見舞われます。
確かに、アンプの流行色は景気を5年ほど先取りしているようにも思えてきます。
では、今はどうかと調べてみると、ヤマハは以前の気品を取り戻したかのようなフロントパネルに戻り、エントリークラスのアンプはシルバーとブラックの2色ですがミドルクラス以上はシルバー一色です、AVアンプはシルバーとブラックのコンビネーションになっています。
ソニーは、プリメインアンプはAVアンプの流用品のようなエントリークラスの一機種しかなくAVアンプも含めて全てブラック一色です。
デノンは、ヤマハ同様にエントリークラスのアンプだけシルバーとブラックの2色を出しており、ミドルクラス以上は全てシルバーです、AVアンプは逆にブラック一色になってしまいました。
オンキョー・パイオニア・マランツはプリメインアンプは全機種シルバー一色です、こちらもAVアンプはほぼブラック一色です。
こうして見ると、ハイファイオーディオ製品はほぼシルバーで、ホームシアター製品はほぼブラックと利用形態で住み分けされているような状況です。
さて、これをどう分析したら良いのでしょうか?