2021年2月13日 10:00
膵臓は胃の後ろにある長さ15㎝ぐらいの臓器で、食べた食物を消化する消化液を分泌する外分泌機能と、糖をエネルギーに変えるホルモンを分泌する内分泌機能の2つの働きを調節する役割をしています。
膵液は、膵管を通して十二指腸内へ送られ、糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいます。
膵臓の機能がうまく働かないと、各細胞に栄養が供給されず、エネルギーが産生できなくなってしまいます。
また、膵臓のランゲルハンス島(膵島)細胞からは、糖の代謝に必要なα細胞からグルカゴン、β細胞からインスリン、δ細胞からソマトスタチンなどのホルモンが分泌されます。
血液中の糖(血糖値)が低下すると、α細胞からグルカゴンが分泌され、肝臓に糖を作らせて血糖値を上昇させます。
β細胞から分泌されるインスリンは、血液中の糖を使ってエネルギーを作るため、インスリンが不足したり働きが弱くなったりすると血液中の血糖値が高くなります。
グルカゴンとインスリンは互いに反対の作用を持ち、拮抗ホルモンと呼ばれ、血液中の糖の量が一定に調節されています。
ソマトスタチンは、インスリンやグルカゴンなどの分泌を抑制します。
なお、ランゲルハンス島というおもしろい名前が付いていますが、なぜこのような名前がついたのでしょうか。
ドイツの病理学者で医師であるパウル・ランゲルハンス(Paul Langerhans)が博士号の研究の中で発見したもので、消化液を分泌する外分泌器官の中で、海にたくさんの島が浮かんでいるように内分泌器官が散在していたから付けられたようです。
また、ランゲルハンス島から分泌されるインスリン(Insulin)は、ラテン語で島を意味するインスーラ(Insura)に、化学物質を表す接尾語inをつけたものです。
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